視点 【視点】異例づくめの米大統領選 米大統領選で民主党から出馬予定だったバイデン大統領(81)が撤退を表明し、後継候補に事実上、ハリス副大統領(59)が決まった。バイデン氏は候補者討論会での不調など、高齢による衰えが目立ち、職務継続を疑問視する党内の声に抗しきれなかった。 民主党は大統領選まで4カ月というタイミングで急きょ、候補者が差し替わった。米大統領選で、現職の再選断念は1968年のジョンソン大統領以来、56年ぶりとなる。 … 2024/07/24
視点 【視点】自衛隊70年 住民に身近な存在に 自衛隊は1日、1954年の発足から70年を迎えた。八重山でも2016年に陸上自衛隊の与那国駐屯地、23年に石垣駐屯地が開設され、自衛隊員は住民に身近な存在となった。 尖閣諸島問題や台湾有事への備えだけでなく、災害対応の迅速化を考えても、八重山に自衛隊が常駐していることは心強い。駐屯地と地元自治体は今後ともスムーズな連携を心がけ、住民の安心安全を守る体制を強化してもらいたい。 県民は悲惨な沖縄… 2024/07/04
視点 【視点】攻撃性増す中国船 漁業者守れるのか 中国が南シナ海で、領有権を争うフィリピンの船舶に対し攻撃的な行動を強めており、フィリピン側に負傷者が出るなど、緊張が高まっている。石垣市の尖閣諸島周辺でも、常駐する海警局の艦船がすべて重武装船に交代し、武力を背景に圧力をかける姿勢が顕著だ。 実力行使で領土・領海を拡張しようとする中国共産党政権の振る舞いは時代錯誤的であり、紛争の危険性を増幅させるだけだ。中国は直ちに態度を改め、関係各国との平和… 2024/06/20
視点 【視点】玉城県政に厳しい審判 任期満了に伴う県議選が16日投開票され、玉城デニー知事を支持しない野党・中立勢力が48議席中28議席を獲得して大勝した。県議選は玉城知事の中間評価という位置づけだったが、県民の厳しい審判が下った形だ。 玉城県政は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する姿勢が突出するが、知事選公約の給食費無償化を実現できていないなど、県民の生活支援で十分な実績を上げていない。 県議選の結果を真摯に受け止め… 2024/06/18
視点 【視点】自衛隊の情報発信 問題あるのか 自衛隊の情報発信のあり方を巡り、沖縄県内のメディアから批判的な報道が相次いでいる。県民に大きな犠牲を出した沖縄戦当時の旧日本軍と、現在の自衛隊をあえて同一視する意図のようなものが感じられる。同じ県民の目線からも、生産性のない不毛な議論に映ってしまう。 陸上自衛隊第15旅団(那覇市)が、沖縄戦で旧日本軍を指揮した牛島満司令官の辞世の句をホームページに掲載し、識者から疑問視する声が出ていると県紙な… 2024/06/07
視点 【視点】県議選 玉城県政への信任投票 沖縄県議選は6月7日告示、同16日投開票される。13選挙区で48議席が争われ、沖縄本島では続々と予定候補者の事務所が設置されるなど、前哨戦が激化している。石垣市区は定数2に2人が立候補を表明しており、無投票となる公算だ。 県議選で最大の争点は玉城デニー県政に対する評価だ。現在の勢力図は与党と野党・中立が同数で、採決に加わらない議長を野党側が出しているため、1議席差で与党が優位に立つ。 県議会… 2024/05/29
視点 【視点】島の将来 この決断でいいのか 波照間公民館が5月12日の総会で、波照間空港の滑走路延長について、多数決で反対を決めた。波照間空港は、有事に備えて政府がインフラの機能強化を図る「特定利用空港・港湾」の指定候補に挙がっていたが、地元住民として拒否する意向を明確にしたものだ。影響は小さくないだろう。 波照間空港の滑走路延長は、もともと同公民館が4年間要請し続けていた懸案事項である。だが「特定利用空港」に指定されれば自衛隊の利用が… 2024/05/24
視点 【視点】台湾に新政権 中国は威嚇停止を 台湾の頼清徳氏が総統に就任し、新政権が発足した。民主的な選挙で選ばれた指導者であり、私たちの常識では、その正当性は揺るがない。新たなリーダーに祝意を表したい。 沖縄県民にとって、台湾を巡る最大の関心事は、今後中国がどう出るのか、懸念されている「台湾有事」は起こるのか、に尽きる。中台関係に関し、頼政権が「現状維持」を表明していることを踏まえれば、台湾海峡の平和と安定は中国の決心一つにかかっている… 2024/05/22
視点 【視点】米大使来島 侵略抑止のメッセージだ まるで「侵略の同盟」ではないかとの感を強くする。ロシアのプーチン大統領は16日、大統領として5期目初の外遊先である中国北京を訪問した。習近平国家主席と「新時代の全面戦略協力パートナーシップ関係」の深化に向けた共同宣言に署名し、中ロの結束を誇示した。 ロシアはウクライナ侵攻で世界を震撼させ、中国は南シナ海や台湾、沖縄周辺で一方的に勢力拡張を図る。両国は戦後、日米欧の民主主義国家を中心に形作られた… 2024/05/18
視点 【視点】復帰52年 先人の労苦に思い馳せ 沖縄は15日、52回目の復帰記念日を迎えた。27年間の米軍統治に苦吟した沖縄は、今や日本有数のリゾート地として、活力あふれる島々に成長している。 現在の基礎を築いた先人たちの労苦に思いを馳せ、どうすればその恩に報い、豊かな沖縄をつくることができるか、改めて考える一日にしたい。 沖縄は1972年の復帰前まで、第二次大戦で日本から米軍に「奪われた」領土だった。かつて琉球王国として、日本本土とは異… 2024/05/15
視点 【視点】与那国町長の訴え 傾聴に値する 与那国町の糸数健一町長は3日、東京都内で開かれた憲法改正を求めるフォーラムで登壇し、日本最西端にある「国防最前線の島」としての立場から、防衛力強化を訴えた。 「台湾有事」の懸念が高まる中、中国が実際に侵略行為を開始すれば、台湾とわずか111㌔の与那国島は、まともに火の粉をかぶりかねない地理的環境にある。当事者である町民の声は貴重であり、糸数氏の発言は傾聴に値する。 糸数氏は、武力行使であれ平… 2024/05/09
視点 【視点】改憲論議 沖縄が先導役に 憲法は3日、施行から77年を迎えた。憲法がつくられた当時とは、国民生活も日本を取り巻く国際環境も激変したが、憲法は一度も改正されないまま現在に至り、条文と現実との齟齬(そご)が著しい。 特に戦力の不保持を定める9条は、沖縄が他国の軍事的脅威にさらされている現状を考えると非現実的だ。県民の平和を希求する心を具体的な政策として実行するためにも、9条の改正論議を前に進めてほしい。 憲法は終戦翌年の… 2024/05/03
視点 【視点】尖閣調査 世論啓発の意義大きい 石垣市が4月25日から3日間、尖閣諸島周辺で洋上調査を行い、生態系の破壊が進んでいるとされる魚釣島の現状などを確認した。同行した本紙記者は、魚釣島で生息するヤギの写真撮影に成功した。 市の調査はテレビや新聞で大きく報道され、尖閣諸島に対する内外の関心を高めた。一般世論に対し、尖閣諸島が日本固有の領土であり、石垣市の行政区域であることを改めて啓発した意義は大きい。 魚釣島では民間の政治団体が1… 2024/05/01
視点 【視点】自衛隊 相次ぐ重大事故に衝撃 伊豆大島の鳥島東方海域で海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が墜落し、1人が死亡、7人が行方不明になる事故が起きた。2023年4月に宮古島周辺海域で陸上自衛隊ヘリが墜落し、10人が死亡した事故はまだ記憶に新しい。わずか1年で自衛隊の重大事故が続発する事態に、衝撃を禁じ得ない。 まずは今回の事故で行方不明になっている搭乗者の生還を祈りたい。同時に、安全保障の要(かなめ)となる自衛隊がこのよ… 2024/04/24
視点 【視点】反対のための反対は不毛だ 防衛省がうるま市で計画していた自衛隊の新たな訓練施設に地域住民の反対運動が起きていた問題で、木原稔防衛相は、施設建設を断念すると発表した。 玉城デニー知事は今月14日、名護市で開かれた集会で「自衛隊の訓練施設を断念させたことは、紛れもなく皆さんの力だ」と住民をたたえ「沖縄県内で米軍基地の整理縮小、撤去の上にのしかかるような、新たな自衛隊基地は造らせない」と明言した。 自衛隊施設は米軍基地とは… 2024/04/19
視点 【視点】シェルター整備 制度積極活用を 有事の際、住民の避難施設となるシェルターの整備が先島諸島で進みそうだ。政府はシェルターに関する基本方針と技術ガイドラインを公表し、宮古、八重山の5市町村を整備の対象地域とした。 石垣市の中山義隆市長は記者会見し、市役所隣接地に整備する防災公園の地下に、シェルター機能を持つ駐車場を設置する方針を示した。政府の方針にのっとり「財源確保など、必要な手続きを進める」と表明した。 沖縄を取り巻く国際環… 2024/04/05
視点 【視点】重要拠点 石垣港指定を歓迎する 政府が有事を見据え、自衛隊、海上保安庁が円滑に利用できるようインフラ機能を強化する「特定重要拠点(特定利用)空港・港湾」に、県内から那覇空港と石垣港が指定される見通しになった。指定によって有事の際、住民を保護する体制が強化される。また空港・港湾整備事業に弾みがつき、観光振興や住民の利便性向上など、地域の活性化にも資する。政府の指定方針を歓迎したい。 有事だけでなく災害時の対応を考えても、空港や… 2024/03/29
視点 【視点】港湾スト 県民の理解得られぬ 米艦船「ラファエル・ペラルタ」の石垣寄港計画を巡り、全日本港湾労働組合(全港湾)が沖縄本島と石垣島で全面ストライキに突入する構えを見せている。ストライキが実行されれば港湾の荷役作業がストップして物流が止まり、県民生活を直撃しそうだ。 このようなストライキは、県民の理解を得られない。米艦船の石垣寄港計画はまだ不透明だが、寄港に反対する手段として労働争議を使う手法には再考を求めたい。 港湾管理者… 2024/03/07
視点 【視点】自衛隊施設は「負担」か 安全保障に必要な施設と、地域住民の暮らしをいかに両立させるか。これは沖縄で特に議論になることが多い問題だ。石垣市でも陸上自衛隊石垣駐屯地の建設の是非が何度も選挙の争点になったが、うるま市でも同様の事例が勃発した。 防衛省は陸自第15旅団の「師団」格上げに伴い、うるま市のゴルフ場跡地約20㌶を取得し、訓練場を整備する計画を立てた。だが地域住民から反対の声が相次ぎ、玉城デニー知事だけでなく、政権与… 2024/03/02
視点 【視点】ロ反体制派死亡 民主主義の危機 もし自分が殺害されたら、どんなメッセージを遺したいか―。ロシアの反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)を描いたドキュメンタリー映画は、本人に対し、そんな衝撃的な問い掛けから始まる。笑顔で「やめてくれ」と質問をかわしたナワリヌイ氏だが、最後にはこう答える。「あきらめるな。行動をやめるな」。 ロシア当局は、北極圏の刑務所で服役中のナワリヌイ氏が死亡した、と発表した。散歩後に突然死したというが… 2024/02/20