「領海内で漁 何が悪い」 知事の尖閣発言、漁業者反発 

尖閣諸島に出漁した仲間均市議の漁船を追尾する中国公船「海警1501」=5月24日午前(仲間市議提供)

 尖閣諸島で領海侵入を繰り返す中国公船に関し、玉城デニー知事が「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と述べたことに、1日、八重山の漁業者らから「領海内で漁をすることの何が悪いのか」と反発の声が上がった。尖閣問題だけでなく、台湾との「日台漁業協定(取り決め)」などで、離島の漁業者が被害を受けているとの指摘もあった。
 八重山漁協に所属する漁業者、名嘉秀三さん(55)=石垣市=は「中国公船が日本の領海である尖閣周辺でパトロールすること自体がおかしい。領海侵入であり、中国のほうが日本を刺激している」と知事の認識を疑問視。「中国漁船は最近、宮古島や波照間島周辺まで徐々に進出してきている」と危機感を示す。
 漁業者の仲田吉一さん(55)=同=は「漁業者が領海内で漁をすることの何が悪いのか」と不快感を示す。
 中国公船と海上保安庁の巡視船が対峙する尖閣周辺海域に仲間均市議が出漁したことについて、ネット上では、いたずらに日中の緊張を高めていると批判する声もある。
 しかし漁業者の与儀正さん(47)=同=は「仲間市議は、漁師のために尖閣周辺の現状を見に行った。正しい」と指摘する。
 漁業者が一様に嘆くのは、八重山の漁業を取り巻く厳しい現状だ。
 名嘉さんは、日台漁業協定で台湾漁船の操業が認められた八重山北方の「三角水域」と呼ばれるマグロ好漁場の現状を「百隻以上の圧倒的な台湾漁船が操業し、八重山の漁船はトラブルを恐れて近づけない状況だ」と嘆く。
 その上で「本マグロ漁も規制され、八重山の漁民は苦しめられている。知事は辺野古だけを見るのではなく、国境の漁業の現状を知ってほしい」と訴えた。
 中国の脅威を念頭に、石垣島では陸上自衛隊配備計画が進む。計画を推進する八重山防衛協会の三木巌会長は「知事は尖閣の歴史をよく知らないのではないか。領海侵入を許してはならない」と話した。

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