きょうから一部店舗休業 「死活問題」「20万少ない」 県の要請、対応割れる 美崎町

県が接待を伴う飲食店に休業要請を出した石垣市美崎町=6日

 新型コロナウイルスの感染拡大による県の休業要請を受け、石垣市の繁華街・美崎町などの接待・接触を伴う飲食店では7日から2週間、一部店舗が休業に入る。「お客さまは市民。泣くに泣けないが」と断腸の思いで休業する事業主がいる一方、「20万円ではどうしようもない」と営業継続を決断した事業主も。だが双方の事業主に共通するのは、休業が「第1波」以上の死活問題となることへの危機感と、県が支給する協力金20万円の少なさへの憤りだ。

 美崎町でキャバクラを経営するオーナーは6日、取材に対し「夜の店でクラスター(感染者集団)が出てしまった。同じ夜の店として、市民全体に大変な不安と恐怖を与えてしまったと申し訳なく思う」と心情を吐露。「お客さまのほとんどは市民。本当に(経営は)大変で、泣くに泣けないが…」と、休業に踏み切る決断を下した。
 接客をメインとするキャバクラは人件費が高く、2週間の休業に対して協力金20万円では「正直やっていけない。大都会の店と違って、経営基盤が脆弱な店が多い」と危機感をあらわにした。
 この店では、国からの補助金などで「第1波」を何とか乗り越えた。客足もようやく50~60%ほどは戻りかけていたが、感染再拡大で冷や水を浴びせられた。
 「今回の自粛は死活問題になりかねない」と肩を落としながらも、営業を続ける同業者に対しては「休業に応じても大変だが、応じずに営業を続けても市民からの批判は免れない。いずれにせよ大変」と不安を口にした。
 一方、営業を継続する決断をしたキャバクラもある。オーナーは「休みに踏み切れない理由は正直、協力金の金額。人件費、家賃などの負担があるのに、20万円ではどうしようもない」と苦しい胸の内を明かす。「『第2波』が来るのは目に見えていた。観光客をさんざん入れておいて、また休業要請では切りがない」と、事業主たちを振り回し続ける行政へ怒りをぶつけた。
 営業継続について「こういう状況で開けるのは勇気がいるし、開けたところでお客も少ない。でも、来てくれるお客に頼るしかない」と前を向いた。
 県によると、美崎町で休業要請の対象となるのは120店舗。県は宮古島市平良西里、平良下地にも7日からの休業要請を出した。

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