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与那国ミサイル配備に苦言 知事「相手への心証変わる」

2025/12/02

報道陣の質問に答える玉城知事=11月30日、県庁

防衛省が進める与那国町への中距離地対空誘導弾配備計画を巡り、玉城デニー知事は11月30日、台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁を念頭に「首相発言後の一連の流れが高市政権の方向性なのかと、相手に与える心証が変わってくる」と苦言を呈した。県庁で木原稔官房長官と会談後、報道陣の質問に答えた。

11月に与那国町を訪問した小泉進次郎防衛相はミサイル配備について「地域の緊張を高めるという指摘は当たらない」と述べた。

玉城知事は「どういうメッセージを発している状況になるかは当然しっかりと考えて行動、発言されるべきだ。首相の発言も、小泉大臣の発言もそうだ。物事を性急に進めるという思いから、そのような言葉が出てくる。まだ十分、地元の状況を理解されておられないのではないか」と指摘。
特に小泉氏の発言について「冷静に『対話による平和的な環境を構築することを第一に考えている』ということを先に発信し、これからも対話を重ねていきたいという言葉を添えて伝えることも必要だ。丁寧に、慎重に行ってほしい」と要望した。

玉城知事は木原官房長官との会談で、高市政権が進める安保関連3文書の見直しについて、沖縄の基地負担が増えないよう要望。非核三原則の堅持も求めた。

与那国町へのミサイル配備計画に関し、中国外務省の報道官は、高市首相の国会答弁を踏まえ「極めて危険。緊張を意図的に作り出している」と対抗する姿勢を示した。ロシア外務省も「厳しく対抗する」と警告した。