米軍司令官「侵略抑止」 レーダー照射、日米で情報共有 日中関係悪化で緊迫
ターナー司令官による記者懇談会が開かれた=9日午後、うるま市のキャンプ・コートニー(ⅢMEF提供)
米海兵隊第3海兵遠征軍(ⅢMEF)のロジャー・ターナー司令官は9日、うるま市のキャンプ・コートニーで記者会見した。日中関係が急激に悪化し、台湾や尖閣諸島周辺の情勢が緊迫する中「侵略を抑止し、必要であれば日本の同盟国とともに、インド太平洋の平和と安定を守る準備が整っている」と述べ、日米同盟の抑止力と南西諸島での共同訓練の重要性を強調した。
6日に中国機が自衛隊機にレーダー照射した件については「情報は常に共有している。この地域では日に日に行動が悪化している」と危ぐ。
海兵沿岸連隊(MLR)の新編成や最新装備の導入により、日米合同演習を通じて「高度な戦術やシームレスな統合能力を実証している。日米の統合運用はこれまでになく進んでいる」と説明した。
中国による尖閣諸島周辺での挑発的行動、南シナ海でのフィリピン軍との衝突、台湾周辺での活動増加などを挙げ「こうした現実を念頭に置きながら、自衛隊と並んで訓練している」と日米の強調を力説した。
その上で「最も望まないのは中国との対立や紛争だが、自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを支えるため、同盟国やパートナー国とともに行動し続ける」と決意を示した。
先島諸島での訓練については、災害対応と有事対応の双方から「自衛隊とともに地域のことを理解し、早期に対応できるような体制を取ることが大事」と指摘。与那国島から北海道まで自衛隊と連携し、部隊と装備を迅速に投入できる体制づくりを進めているとした。
演習に伴う地域への影響については「最小限となるよう努めている。沖縄の人たちの理解を得ながら前に進めることを常に考えている」と地元への配慮を強調した。
在日米軍再編とグアム移転については、日米安全保障協議委員会で決定した計画に沿って進んでいるとした。