【視点】選挙ムード高まる沖縄
今年の沖縄は秋に沖縄最大の政治決戦である知事選を控えているが、選挙までまだ半年以上という早い段階で革新側は現職の玉城デニー氏、保守側は那覇市副市長の古謝玄太氏という候補者の顔ぶれが固まった。
さらに、ここへ来て高市早苗首相が23日召集予定の通常国会冒頭で衆院解散を検討しているとのニュースが流れ、どうやら衆院選も間近である。選挙イヤーの雰囲気が年明け早々高まりそうだ。
2024年には衆院選、昨年には参院選が行われたばかりだが、政治情勢はその都度、目まぐるしく動いている。参院選からの最大の変化は、自公連立政権から公明党が離脱し、自維連立政権が成立したことだ。
沖縄の主要選挙は2014年知事選以降「自公対オール沖縄」という対立軸で争われてきた。公明党の連立政権離脱後も、沖縄では自公の連携が継続しており、1月25日投開票の名護市長選も自公は現職推薦で一致している。反「オール沖縄」という公明党のスタンスは揺らいでいない。
一方、中央では立民と公明が選挙協力の検討に入ったと伝えられるなど、今後の衆院選や知事選でも自公の足並みがそろうかは微妙な情勢だ。
自公は沖縄の4選挙区で「選挙区は自民、比例は公明」というすみわけが長く続けてきたが、中央で自公がたもとを分かっている現状では、選挙協力のあり方も見直しを迫られよう。
「自公」という枠組み自体が存立の是非を問われている。「自公」から離れた公明の動向は衆院選、知事選の行方を占う重要なポイントになりそうだ。
知事選で革新側の「オール沖縄」勢力は玉城氏の3選を支援する。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対するという一点で結集した政治勢力だが、移設工事が進展したことで、知事選でこの問題を最大争点に据えるのは現実的に難しくなっている。
基地問題以外に魅力ある政策を掲げ「辺野古」ワンイシュー頼みではない選挙に脱却できるのかが玉城氏3選のカギを握る。
保守側は、自公の組織票頼みだった過去の選挙の反省から、広く保守中道の各政党に協力を求める戦略へと転換。沖縄でも支持を拡大する参政党などの新興政党にも秋波を送る。
このため、自民党が主導してきた候補者選びを今回は改め、経済界を中心に候補者選考委員会を組織した。
候補者には元官僚で、かねて待望論が強かった古謝氏を選出した。
「オール沖縄」勢力はこれまで全県を一つの選挙区とする知事選、参院選では無敗だが、市長選では敗北続きで、衆院選も4選挙区は自公と五分になっている。玉城氏は無党派層に圧倒的な人気があるとされるが、政治経験の乏しさを指摘される古謝氏がどこまで無党派層を切り崩せるかが注目される。
「自公対オール沖縄」から「保守対革新」に先祖返りしつつある沖縄の選挙だが、今年はその元年とも呼ぶべき年の選挙戦になりそうだ。