【金波銀波】八重山商工の衝撃的な春夏連続甲子園出場

 八重山商工の衝撃的な春夏連続甲子園出場から10年。沖縄の高校野球に偉大な足跡を残した伊志嶺吉盛監督が退任を表明した◆10年前は八重山にとって「天の時、地の利、人の和」の三拍子がそろった千載一遇の機会だった。伊志嶺監督という名将、その薫陶を受けた優れた選手がいて、市民も一丸となって選手の島外流出を防いだ。当時のような熱気を、現在の八重山で感じることはできない。この10年間、八重山勢の甲子園出場がかなわなかったことは、ゆえなしとしない◆離島の八重山は、本島の高校に比べると大きなハンディを抱えている。お隣の宮古島からも、いまだに甲子園出場校は出ていない。生半可な覚悟では甲子園にたどり着けないことを、10年間の空白が教えてくれる◆それでも今年の八重山勢は健闘した。八重山高校が県王者となり、九州大会でも1勝して21世紀枠候補に初めて選ばれた。八商工も夏の大会で4強入りを果たした。しかし八重高は夏の大会で初戦敗退し、最大のライバルだった興南も早々に姿を消して、頂点に立ったのはダークホースの嘉手納だった◆沖縄の高校野球界は戦国時代に入っており、誰もが天下を狙って切磋琢磨している。勝負の世界で生き抜く厳しさを、改めて実感させられた1年でもあった。

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