【視点】食品ロス削減、変わる社会構造

 より社会的な効果が大きいと思われるのは「フードバンク」をはじめとした不要な食品の分配活動だ。食品を集積する冷凍庫や保管庫などの整備、食品を困窮者らにスムーズに届ける経路の確立、食品の提供者と、受け取る側への啓発活動など、課題は山積している。
 法整備を契機に、沖縄でも「フードバンク」の知名度を上げ、離島を含め、大勢の人たちが活動に関わることができる体制を構築したい。
 自由競争社会に貧富の格差はつきものだが、富裕者に重税をかけて貧困者へ回すのは、どの国でも容易ではない。行き過ぎれば富裕者、貧困者双方の勤労意欲をそぐことになり、社会全体の活力が失われるからだ。
 その意味では、余った食べ物を困った人に分け与えることは、社会正義を実現するために最も抵抗感の少ない取り組みだろう。
 多くの人のお金に対する欲望には限りがなく、お金の分配には常に不公平感がつきまとう。しかし一人が口にできる食べ物の量には、おのずから限界があり、適正な量を得られるなら、貧困者の不満も大幅に軽減されるだろう。
 同法によってフードバンクが全国的な規模で成功し、貧富にかかわらず、誰でも必要な食べ物を満足して口にできる時代は到来するだろうか。そうなれば、資本主義社会の永遠の課題といえる「格差解消」が現実味を帯びてくるかも知れず、社会構造は大きく変わることになる。

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