貸し付けでも「独断はせず」 市長、市有地巡り野党に 石垣陸自配備

 石垣市議会一般質問では11日、石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡って野党と中山義隆市長の応酬が続いた。中山市長は駐屯地建設予定地の一部となっている市有地の扱いについて、議会の議決が不要な貸し付けを選択した場合でも「独断ですることはない」と強調。野党の花谷史郎氏が「市長が独断でやっていく」と批判したことに反論した。防衛省は市有地の売却を希望しているが、市は今後、庁内の公有財産検討委員会や庁議で審議する手続きを経た上で、対応を決定する。

 公有財産検討委では、市有地の貸し付け、売却、国有地との等価交換の3案を検討している。
 花谷氏は、公有財産検討委と庁議のメンバーがほぼ重なっていることを指摘。「公有財産検討委は(市有地の提供に)基本的に前向きで、止めるという判断がない。しかも貸し付けという判断が出れば議会の議決さえ必要ない。こういった手順が市民の理解を得られるのか」と追及。「公有財産検討委でも止める、止めないを含めて議論し、貸し付けにおいても議会で何らかの審議をすることが必要ではないか」と要望した。
 中山市長は公有財産検討委と庁議について「(市有地の提供が)必ずОKとなるわけではないので、そこは理解してほしい」と説明。花谷氏が「市長の独断」という言葉を使ったことに対しては「独断では行わない。花谷議員の勝手な思い込みだ」と反発した。平良秀之議長は休憩中、花谷氏に「独断は一人で決めることだ。(市有地の提供は)庁議、公有財産検討委で諮るという答弁なので、理解してほしい」と求めた。
 一般質問では井上美智子氏、新垣重雄氏が陸自配備による水源などへの影響を懸念。「軍事基地のために住民がたくさんの危険を抱えないといけない。市民の安全を守るなら、配備は絶対に中止すべきだ」(井上氏)と訴えた。
 井上氏は駐屯地建設予定地の旧ゴルフ場が市有地の一部に越境して営業していた問題を追及。天久朝仁農政経済課長は、過去10年間にさかのぼり、賃貸料相当額を不当利得として請求可能との考えを示し「現在、手続きを進めている」と述べた。

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