視点 【視点】懸念される経済への打撃 政府が東京など1都3県に、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を発令する見通しになった。昨年4月以来の緊急事態宣言で、今回は全国が対象ではないものの、首都圏は日本経済の心臓部である。大勢の人たちが営業や移動の自粛を強いられることになり、経済への相当の打撃は覚悟しなくてはならないだろう。 この時期に宣言を再発令することで、果たして感染拡大は止まるのか。経済への手当てはどこまで可能なのか。国民の不安は大き… 2021/01/05
視点 【視点】勝負の年末年始、感染抑止を 八重山で新型コロナウイルスの新規感染者が23日から1週間連続して確認されており、県立八重山病院は「市中感染が始まっている」との認識を示した。このまま感染者数が増加すれば医療崩壊が起きかねないと懸念し、年末年始は飲み会などを避け、静かに過ごすよう求めている。住民も「勝負の年末年始」だと意識して感染予防対策に努めてほしい。 石垣市の中山義隆市長は28日の仕事納め式で「今年を振り返ると、世の中の話題… 2020/12/30
視点 【視点】沖縄も対岸の火事でない香港問題 中国が香港民主派への弾圧を強めており、欧米から批判の声が強まっている。国民の政治活動を力ずくで封じ込める中国政府の姿勢は、石垣市の尖閣諸島周辺で日本の漁業者を威嚇し、自国の権益を拡大しようとする中国公船の活動に通じるものがある。根っこは一つだ。隣国に対して強圧的な態度で臨むのは、非民主的な国家の特徴でもある。香港は沖縄にとって対岸の火事ではない。 香港では、当局が中国に批判的な香港紙の創業者、… 2020/12/05
視点 【視点】尖閣 沖縄が主体的に発信を 来日した中国の王毅国務委員兼外相が、石垣市の尖閣諸島について中国の領有権を主張し、周辺海域で操業する日本漁船への威嚇行為を正当化した。日中友好に水を差す発言であり、許し難い。石垣市議会は抗議決議することを決めたが、尖閣諸島を行政区域とする地元自治体として当然だ。 王氏は日中外相会談後の記者会見で「一部の真相が分かっていない日本漁船が釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺の敏感な水域に入る事態が発生して… 2020/11/28
視点 【視点】「第3波」当面は経済優先維持を 大都市圏を中心に連日千人超の新型コロナウイルス感染者が確認されており、全国的に「第3波」襲来の様相が鮮明だ。玉城デニー知事も20日、県内の現状について「まぎれもなく第3波」との認識を示した。 政府は24日、観光支援事業「GO TОトラベル」の対象から感染状況が特に悪化している札幌、大阪の2市を一時除外し、新規予約を同日から12月15日まで3週間停止。予約済み旅行は12月2日から15日現地着分まで割… 2020/11/27
視点 【視点】「現状維持」は最悪の選択肢 尖閣諸島周辺の接続水域で、中国公船「海警」の航行日数が19日、今年に入り300日に達した。今や台風などの悪天候時を除き、尖閣周辺では常に中国公船が航行している。中国公船は海上保安庁の巡視船と同様、尖閣周辺での「常駐体制」をほぼ確立したと見ていい。 言うまでもなく、尖閣諸島は石垣市の行政区域だ。だが21世紀にもなって、他国が実力行使で石垣市の行政区域を侵奪しようとしている。県民にとっては目をそむ… 2020/11/21
視点 【視点】衆院解散 遠くない時期か 安倍晋三前首相は16日、東京都内で開かれたパーティに出席し、衆院・解散総選挙の時期について「今の支持率を見ると、私が首相なら強い誘惑に駆られる」と述べた。産経新聞が報じた。 共同通信が14、15日に実施した全国電話世論調査では、菅義偉内閣の支持率は63・0%。発足当初に比べ、日本学術会議の問題などで下がったと言われるが、依然、高水準を維持している。解散はそう遠くない時期ではないか。 年内の解… 2020/11/17
視点 【視点】沖縄も「第3波」に備えを 全国の新型コロナウイルス新規感染者は12日、過去最多の1660人に達し、4月、8月に続く「第3波」襲来の可能性が強まってきた。沖縄でも13日、新規感染者数が49人となり、20日ぶりに40人を突破。さらなる感染拡大の様相が強まっている。 東京、大阪など大都市圏の感染拡大が時間を置いて沖縄にも波及する、というのが従来のパターンだった。 13日現在、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は1位… 2020/11/14
視点 【視点】米政権交代「強固な同盟」維持は 米メディアの世論調査によると、大統領選で有権者が最も重視する政策は、バイデン前副大統領の支持者が人種差別問題、トランプ大統領の支持者が経済政策だった。 「アメリカ・ファースト」と呼ばれる自国優先主義を掲げたトランプ政権は、過去に例のない内向きの政権と言われた。だが支持者の動向を見ると、バイデン政権になっても外交より内政重視の姿勢が変わるとは思えない。「米国は世界の警察官ではない」と宣言したのは… 2020/11/10
視点 【視点】現実直視した負担軽減策を 米大統領選は共和党トランプ大統領と民主党バイデン元副大統領が大接戦を繰り広げたが、僅差の州を残し、バイデン氏優位の流れがほぼ固まった。ただトランプ氏も「明らかに不正が行われた」などと主張して譲らず、裁判闘争にもつれ込む可能性も高まっている。 気になるのは日米メディアの報道だ。日本の情報番組などでは、敗北を認めないトランプ氏に対し、コメンテーターが「泣き言を言っている」「往生際が悪い」「むちゃく… 2020/11/07
視点 【視点】米大統領選 国際情勢を左右 米大統領選の投開票が始まった。選挙結果は国際情勢に大きな影響を与え、日本の外交や安全保障も左右する。 日本にとっての注目点は次期政権の対中政策で、米国の対応によっては、尖閣諸島問題にも何らかの変化が生じる可能性がある。沖縄県民も米国の選挙と無縁ではいられない。 トランプ大統領は対中強硬姿勢を掲げ、関税の上乗せをテコにした「貿易戦争」に突入。中国の独裁体制も公然と批判し、アジアや西欧諸国を巻き… 2020/11/04
視点 【視点】本島―離島の移動にリスク 県内の新型コロナウイルス新規感染者数は高止まりを続けており、石垣市でもじわじわと拡大傾向が続いている。過去2回の県の緊急事態宣言時を「第1波」「第2波」と呼ぶなら、これからの冬到来もあいまって「第3波」の可能性がいよいよ現実味を帯びてきたということだろう。 石垣市では今月に入り、かりゆし病院の院内感染がクラスター(感染者集団)に発展するなど、同病院関係者の感染が急拡大した。だが同病院関係者の検… 2020/10/29
視点 【視点】新型コロナとの戦い長期戦に 新型コロナウイルスの感染拡大がなお続いている。石垣市では、かりゆし病院でクラスター(感染者集団)が発生し、同病院関係者の感染者数は20日時点で33人に達した。 県全体の感染者数も人口比で全国1位が続いており、県は全県に注意報を出した。依然、警戒を緩めることができない状況だ。 沖縄は4月ごろから「第1波」、7月ごろからは、いわゆる「第2波」に襲われた。これから冬に向けて「第3波」の可能性にも備… 2020/10/21
視点 【視点】厳しい関係続く菅政権と玉城県政 玉城デニー知事が7日、首相官邸で菅義偉首相と会談した。両者の顔合わせは菅首相の就任後初めてだったが、沖縄振興で連携する姿勢を確認しただけで、会談は約5分間で終わった。 知事が首相と面会すること自体が異例なので、5分間を長いとも短いとも評価はできない。ただ玉城知事や翁長雄志前知事が安倍晋三前首相と会談した際は、報道陣に冒頭が公開され、両者が握手している写真などが撮影されるのが常だった。今回はそれ… 2020/10/17
視点 【視点】不祥事続発、市は猛省を 石垣市役所は今、どうなっているのか。市民の呆れ顔が見えるようだ。 今年に入り、職員による公金着服が立て続けに3件も発覚した。前代未聞の異常事態だ。 市は今月15日、市民保健部の男性職員が首里城再建の義援金など計501万円を着服していたと発表した。県民の関心が高い首里城絡みで、金額が大きいこともあって、全国的なニュースになった。 6月には小学校の臨時事務職員が給食費214万円を着服、7月には… 2020/10/16
視点 【視点】米の対中姿勢 討論会で見えず 米大統領選で第1回の候補者討論会が行われ、共和党の現職トランプ氏と民主党の前副大統領バイデン氏が直接対決した。貿易や人権問題などで米中対立が深刻化しているというイメージを抱いている日本人にとって意外だったのは、外交、とりわけ対中政策が討論会のテーマにならなかったことだ。 トランプ氏は新型コロナウイルスの感染拡大に関し「中国のせいだ」と対中批判を何度か口にしたが、バイデン氏からこの種の発言は一切… 2020/10/08
視点 【視点】就任2年 難局続く玉城県政 玉城デニー知事は4日、就任から2年となり、任期の折り返しを迎えた。最大の公約に掲げる米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止は展望を見い出せないままだ。新型コロナウイルスの感染状況は人口比で全国最悪の状況が続き、経済の柱である観光産業は大打撃を受けた。知事が政治的リーダーシップ発揮し、困難な局面をどこまで打開できるか問われる。 辺野古移設を巡っては、予定地の軟弱地盤を改良するため、国が設計変更を県に申… 2020/10/06
視点 【視点】詭弁では世界の信頼得られず 米ワシントン大の研究者らは、2035年に中国の経済規模が米国を抜き、世界トップに立つと予測した。中国の指導者に対しては、21世紀の超大国にふさわしく、世界に範を示すような言動を期待したい。だが孔鉉佑(こう・げんゆう)駐日大使が在日中国大使館のホームページに掲載した日本国民への談話を読むと、他国に対する強圧的な振る舞いの正当化と詭弁(きべん)に満ちあふれており、現状の中国が世界各国の信頼を得られる… 2020/10/03
視点 【視点】「自殺の連鎖」に高まる懸念 芸能人の自殺と見られる訃報が相次いでいる。7月以降、俳優の三浦春馬さん(30)、芦名星さん(36)、藤木孝さん(80)と続き、今月27日には竹内結子さん(40)が死去した。会員制交流サイト(SNS)による誹謗中傷の後に死去したプロレスラー木村花さん(22)の例もある。有名人の自殺は社会的影響が大きく、今後も一般人も含めた自殺の連鎖に懸念が高まる。 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で、7月以降… 2020/09/29
視点 【視点】「ウィズコロナ」で観光再起動 新型コロナウイルスの新規感染者は、現在でも連日のように確認されている。しかし、ある程度の感染者発生はやむを得ないものと受け止め、重症化しやすい人を守る取り組みに重点をシフトする「ウィズコロナ」(コロナと共に)という考え方も定着しつつある。 県が独自に出した緊急事態宣言は5日に解除された。これを受け玉城デニー知事は今月上旬、観光客向けのメッセージ動画を公開した。 この中では「皆様に安全安心を感… 2020/09/24