【視点】陸自配備、円滑な市有地提供を

 市有地の売却による収入も入る。市は現在、新庁舎建設作業を進めているが、今後着手すべき大規模な事業として新博物館・美術館(仮称)構想が市議会でも取り上げられている。財政難の折に物入りであり、まとまった収入が少しでもあれば助かるだろう。
 市有地の賃貸は市長の判断で行うことができる。今後の課題は売買を市議会に認めてもらうことだ。年度内での決着の必要性を考えると、年明けの臨時議会か、来年の3月定例会での提案になるだろう。陸自配備の意義も含め、市は市議会に対し、丁寧に説明責任を尽くし、スムーズな承認に漕ぎつけてほしい。
 市議会では中山義隆市長を支える与党が多数だが、議会運営には懸念もある。自治基本条例の廃止案を巡る対応で見られたように、与党の足並みが必ずしもそろわない場面がみられるからだ。特に、与党の中でも公明党は陸自配備に慎重姿勢を示している。
 陸自配備は市の将来に関わる大きな決断であり、それぞれの市議が既に腹を固めているはずだ。野党の反対は仕方がないとしても、土壇場になって、与党がいたずらに動揺することは避けてほしい。
 来春には中国の習近平国家主席が国賓として来日する計画が進んでおり、日中関係は改善基調にある。
 だが一方で尖閣諸島周辺を航行する中国公船は、今年に入って過去最多の延べ約千隻に達した。八重山周辺での活動は、かえって活発化している状況だ。中国軍事費の異常な膨張と軌を一にした動きであり、見過ごすことはできない。
 石垣島への陸自配備は、次代も含め住民の安心安全を守り続けるため、百年の大計として進めるべきだ。

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