地域に根を下ろし活動 宮古島陸自「八重山の参考に」 警備隊長が報告

 八重山防衛協会、八重山自衛隊家族会、隊友会八重山支部の合同新年祝賀会が11日夜、石垣市内のホテルで開かれ、2019年3月に開設された陸上自衛隊宮古島駐屯地の田中広明警備隊長(一等陸佐)(47)が活動状況を報告。「地域に根を下ろすことが使命だと思ってきた。常に地域と共にあり、美しい文化と平和を守る規律ある自衛隊として、天に恥じぬ行動に努める」と意気込みを語った。
 石垣島でも駐屯地建設に向けた用地造成工事が進んでおり、田中隊長は「(将来創設される)八重山警備隊の参考」として宮古警備隊の組織や訓練の様子などを紹介した。

 駐屯地開設以降、知事の災害派遣要請を受け、海岸に漂着した廃油ボールの回収、沖縄本島の豚コレラ対処の応援、核燃料棒の可能性が疑われた漂着物の対処などに当たった。「大きな災害があった場合、人命救助、風呂や食事の提供などもできる」と述べた。
 隊員の移住で、約3000人だった地域の人口が約600人増えた。住民からは「若い奥さんや子供の笑い声が聞こえるようになってうれしい」との声が寄せられているという。
 駐屯地開設セレモニーが開かれた際、門前に反対派が押し掛けて罵声を浴びせる一幕があった。集まった隊員の家族に申し訳ない気持ちから「今だから言うが、泣いて立っていられなくなった。救いになったのは、協力者がいっぱい来てくれたことだった。地域の優しさに感謝している」と振り返った。
 在沖米国総領事館のヒラリー・ダウアー主席領事は「米国からみる沖縄 日米同盟の中心」と題して講話。沖縄の地政学的な重要性を強調し「安全保障の面から見ると、日本と米国は一枚岩だ」と指摘した。
 八重山防衛協会の三木巌会長は謝辞で、石垣島への陸自配備計画について「宮古を参考に伝統ある駐屯地を造るため、自衛隊を応援したい」と述べた。

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