34年沖縄国体へ「未来創造本部」 県「夢持ち挑戦できる環境を」
2034年に沖縄県で開催される国民スポーツ大会・全国パラスポーツ大会に向けた「県スポーツ未来創造本部」が創設された=17日午後、県立武道館錬成道場
2034年に沖縄県で開催される第88回国民スポーツ大会・第33回全国パラスポーツ大会に向け、県は17日、関係機関を横断して準備を進める「沖縄県スポーツ未来創造本部」を設立した。那覇市の県立武道館錬成道場で設立総会と第1回本部会議が開かれ、本部長に池田竹州副知事が就任した。
本部は、国スポ・全スポ開催を契機に、競技力向上と生涯スポーツの振興を両輪として、健康長寿おきなわの復活や共生社会の実現を目指す司令塔組織。県、市町村、競技団体など幅広い主体が参画し、開催準備から大会後を見据えたレガシー創出までを担う。
設立総会では、国スポ・全スポの概要や、これまでの設立準備の経過が報告された。沖縄での国スポ開催は、復帰記念の「若夏国体」(1973年)、一巡目の「海邦国体」(87年)以来、47年ぶりとなる。
第1回本部会議では、役員体制や基本計画などを審議。「競技力向上」と県民のスポーツ実施率向上を目的とした「アクティブライフ推進」の2つの部会を設置し、計画策定や事業実施、調査研究などを付託・委任する方針を確認した。
令和7年度の事業計画では、基本計画の策定に加え、デジタルツールを活用した競技力向上支援、ジュニア選手の発掘・育成事業、先催県の事例調査や競技団体へのヒアリングなどを進める。来年度は、国スポ実施までの具体的なスケジュールを策定する予定で、競技実施場所についても、開催競技決定後に離島を含む各市町村と調整していく。
諸見里真副本部長(県文化観光スポーツ部長)は「若夏国体や海邦国体では、スポーツ振興に加え、競技施設や道路など社会インフラ整備が進み、地域振興の大きな原動力となった」と振り返った。
また「少子高齢化やスポーツ実施率の低迷など課題がある中、生涯を通じたスポーツ文化の振興と健康長寿沖縄の復活、子どもたちやアスリートが夢を持って挑戦できる環境づくりを進めたい。県民がスポーツの価値を実感できる大会にしたい」と、関係者に協力を呼び掛けた。
全国パラスポーツ大会では前回(かりゆし大会)と同様、冠称を公募で募集する予定。