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【視点】武器輸出 国際連携で平和構築を

2026/04/24

政府は防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、主に同盟国に対し、ミサイルや戦闘機など戦闘で直接使用される武器の輸出を認めた。

日本周辺で中国、ロシア、北朝鮮の軍事力増強が進む中、日本一国では地域の平和を守れないと指摘されて久しい。武器輸出解禁で同盟国をはじめとした国際社会との連携を強め、国民の安心安全を強化する取り組みは不可欠で、政府の方針を評価したい。

木原稔官房長官は記者会見で「戦後80年以上にわたり築いてきた平和国家としての基本理念を堅持する」と述べた。

国際社会において他国の誠意に期待し、受け身で情勢を傍観するだけでは平和は構築できない。自ら平和の構築に貢献する姿勢を示すべきであり、武器輸出解禁の判断も日本がそうした「行動する国」へと歩み出す一歩になる。これを「平和国家」の否定とみなすのは間違っている。

武器輸出解禁にはもう一つ、他国に必要とされる武器の生産技術を国内で育てる意図もある。

防衛産業の技術は多くの場合、民間産業にも転用可能だ。防衛産業の育成は、防衛に限らず日本の技術力全般を底上げする効果がある。少子高齢化と人口減少が進む中、日本人は技術力の高度化を進めなければ国際社会で生き残れない。防衛産業の育成は将来の日本にとって死活問題という認識を持つべきである。

武器輸出が地域の紛争をあおるという懸念もあるが、果たしてそうだろうか。輸出解禁には一定の歯止めがある。輸出相手国が条約や国連決議に違反する場合や、紛争当事国である場合は原則として認めない。

ただその場合でも、国家安全保障会議で審議し、輸出を認める判断を公表した場合は国会に通知する定めを設けた。

国際関係が複雑化する中で、禁止規定を一律に適用することは日本の選択肢を狭める。政府が柔軟に対応する余地を残したことを「判断基準の曖昧化」と批判するのは当たらないだろう。

中国やロシアなどは、周辺諸国に対し軍事力をテコにした威圧を強めている。無法な振る舞いをする国を抑止するためには、日本も武器の提供を含めた具体的な取り組みが求められるはずである。

武器や基地を「人間を殺傷するために使われる」と忌み嫌う考えもある。だが大事なのは、武器や基地をどう使うかという人間の判断であり、武器や基地そのものは善でも悪でもない。

武器輸出解禁に反対する声は、武器や基地の存在を否定する考えが根底にあるが、そうした考えで平和を構築しようとするのは、現実的にはいっそう困難である。