視点 【視点】離島生まれの女性作曲家がいた 宮古島出身の女性作曲家、金井喜久子さん(1906~86)の功績を後世に伝えようと「金井喜久子プロジェクト実行委員会」が設立され、3月には宜野湾市で設立記念コンサートが開かれた。 金井さんは女性の社会的地位が低かった時代、果敢に音楽の道を選び、日本人女性として初の交響曲を作曲したとされる。そのような女性が沖縄出身、しかも離島生まれというのは離島住民にとって誇りだ。復帰50年の節目に、金井さんの仕… 2022/04/12
視点 【視点】抑止力の必要性改めて示した 戦場の凄惨さが改めて浮き彫りになった。ウクライナ当局は、ロシア軍が撤退したキーウ(キエフ)州で市民400人以上の遺体を確認。市民の殺害、レイプ、拷問、遺体の切断など、ロシア軍による数々の残虐行為を告発した。 これを単にロシア軍の「残忍さの表れ」と見るのは一面的だ。国や時代を問わず、こうした狂気が日常化する最悪の行為が戦争なのだ。 いったん戦場となれば、敵であろうが味方であろうが、国際ルールを… 2022/04/06
視点 【視点】市民は安定と経済を選択 市民は安定的な市政運営と、経済回復への期待を託したと見ていいだろう。任期満了に伴う石垣市長選は2月27日投開票され、現職で自民、公明の推薦を受けた中山義隆氏が4選を果たした。 中山氏が選挙戦で最優先に訴えたのは「脱新型コロナウイルス」と「景気回復」だった。新型コロナの影響で観光客が激減し、多くの市民が経済的苦境に陥っており、選挙戦で中山氏の訴えが市民の心に届きやすい状況だった。 中山氏は「3… 2022/03/01
視点 【視点】[石垣市長選]安全保障も論議活発 石垣市は尖閣諸島を行政区域に抱え、陸上自衛隊配備計画も進められており、日本の安全保障に関わる重要な自治体と位置付けられている。市長選に出馬した新人の市議、砥板芳行氏と現職の中山義隆氏は、安全保障問題に関して対照的な政策を打ち出した。 陸上自衛隊駐屯地は島中央部の平得大俣地区で来春にも開設される見通しだ。今選挙では、もはや自衛隊配備の是非そのものは争点になっていない。しかし砥板氏は、配備の賛否を… 2022/02/24
視点 【視点】ウクライナ情勢、尖閣にも影響 ロシアのプーチン大統領は、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域の独立を承認し、平和維持を名目に軍を派遣する考えを示した。ウクライナの主権を無視した侵略行為であり、実力行使で国境線を変更する試みに等しい。国際社会は蛮行として強く非難すべきだ。 ウクライナ問題が日本、とりわけ沖縄にとって他人事でないのは、日本も軍事大国化した中国との間で尖閣諸島問題を抱えているからだ。 ウクライナ… 2022/02/23
視点 【視点】町長逮捕 公共事業の透明性確保を 竹富町の西大舛高旬町長が官製談合防止法違反などの容疑で逮捕された。現職の首長逮捕は八重山では前例のない異常事態である。 容疑は公共事業の発注に伴う汚職であり、住民の行政に対する信頼が大きく揺らいでいる。今後の捜査の推移を見守る必要もあるが、自治体関係者は公共事業の透明性確保に向け、改めて自らを正す必要がある。 竹富町の島々には昭和50年代に海底送水管が敷設されており、現在、ちょうど更新時期を迎えて… 2022/02/15
視点 【視点】異様な対中決議 問われる矜持 衆院の「対中非難決議」を読み、その異様さに絶句した。中国の深刻な人権弾圧を非難しているはずなのに「中国」という文言が一度も出てこない。拳を振り上げる一方で、明らかに腰が引けているのだ。中国の人権も心配だが、それほど中国に遠慮しなくてはならない日本の国内事情にも、深刻な懸念を感じてしまう。 国内の人権弾圧のみならず、沖縄周辺での不穏な軍事的活動を見ても、中国が非難に値する国であることに疑う余地は… 2022/02/03
視点 【視点】感染最多 社会機能の維持優先に 新型コロナウイルスのオミクロン株が八重山でも猛威を振るっている。感染発表数は1月30日、初めて100人を超え、111人に達した。1月の感染者数は過去最多だった「第5波」の昨年8月(613人)を大きく超え、900人を突破した。第1~5波に比べ「第6波」が桁外れの大流行であることが数字の上からも分かる。 本土や沖縄本島での流行状況から、いずれ八重山や宮古でも感染者数が1日当たり100人を超えてくること… 2022/02/01
視点 【視点】名護市長選 移設が「県益」に 米軍普天間飛行場の移設先、名護市の市長選が23日投開票され、移設を進める岸田政権に支援された現職、渡具知武豊氏が移設反対の新人を破って再選を果たした。渡具知氏は移設の賛否に言及していないが、今後の移設作業進展に向け、再選は好材料となる。 日本の外交や安全保障に関わる問題が一自治体の選挙で争点になる事態は、本来は不幸なことと言わなくてはならない。そうした問題は国政選挙のテーマになるべきだからだ。… 2022/01/26
視点 【視点】沖縄の選挙イヤー幕開け 沖縄の選挙イヤーが幕開けした。日本の外交や安全保障に影響する重要選挙が目白押しで、全国的な注目度も高い。地方の選挙は各自治体の事情に左右されがちだが、より広い視野で選挙の意義を考えてみることも必要だ。 米軍普天間飛行場の移設先である名護市では16日に市長選が告示され、移設に反対する新人の元市議、岸本洋平氏(49)、岸田文雄政権が支援する現職の渡具知武豊氏(60)の一騎打ちとなった。23日投開票… 2022/01/19
視点 【視点】対中交渉は抑止力背景に 日米両の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が8日、テレビ会議方式で開催された。覇権主義的な振る舞いが目立つ中国への懸念を共有し、日米同盟の強化を確認した。 尖閣諸島を抱え、台湾にも近い沖縄は文字通り対中最前線にある。現に中国が武力による威嚇を強める中、県民を紛争に巻き込まないようにするには、抑止力を背景にした交渉を進めることが重要である。日米の結束が改めて示された意義は大… 2022/01/11
視点 【視点】「第6波」医療守るのが優先 県内の新型コロナウイルス新規感染者数が1000人に達する勢いで、爆発的に増加している。八重山でも連日、二桁の新規感染者が確認され「第6波」到来の様相が鮮明になった。医療資源が限られた小さな島々で、医療崩壊を起こさぬよう、この危機をどう乗り越えるのか。過去5回の「波」の経験を踏まえた対処が求められる。 県疫学・統計解析委員会によると、今月に入ってからは新規感染者の80%以上がオミクロン株と推定さ… 2022/01/07
視点 【視点】対中 沖縄は原則論主張を 岸田文雄首相は24日、来年2月の中国・北京冬季五輪に政府代表団を派遣しない意向を示した。中国の人権侵害に抗議し、米国などが進めている「外交ボイコット」に事実上同調した。 しかし首相は、政府代表団派遣見送りが外交ボイコットに該当するか問われ「政府として特定の名称を用いることは考えていない」と言明。今回の措置に「外交ボイコット」という名称を使用しないことを強調した。 松野博一官房長官は、米国も「… 2021/12/30
視点 【視点】年末年始 高まる「第6波」懸念 新型コロナウイルス「第6波」が懸念される年末年始に入った。玉城デニー知事は27日の記者会見で、沖縄の感染状況について「流行の立ち上がり期にあると思われる」と言明した。 八重山では60日連続して新規感染者ゼロが続いているが、沖縄本島では北部を中心にじわじわと感染者が増加している。 感染力が強いとされるオミクロン株の感染者も米軍基地関係者を中心に確認されており、今後の感染状況は予断を許さない。こ… 2021/12/29
視点 【視点】 台湾有事発言 中国抗議は不当 安倍晋三元首相が台湾のシンクタンクの招きに応じてオンラインで講演し「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と述べた。これに対し中国は駐中国日本大使を呼び出して抗議し、報道官は「中国の譲れない一線に触れるものは、誰であろうと頭をぶつけ血を流すだろう」と反発した。 台湾有事が沖縄有事であることは、沖縄県民、とりわけ台湾と地理的に近接した八重山住民は誰もが肌で感じている。中国の抗議が受け入れ… 2021/12/03
視点 【視点】立憲 再出発には現実主義必要 野党第一党である立憲民主党の新代表に泉健太氏が選出された。泉氏は壇上で「47歳の新しい船長が誕生いたしました」と若さをアピールし、党の「再出発」を強調した。40代の新代表がフレッシュなイメージを与えるのは確かだが、要は政策の中身や政治手法であり、旧態依然とした体質を一新しなければ看板倒れに終わってしまう。 代表選では共産党との野党共闘のあり方などが主要テーマになった。泉氏は「単に継続ではなく、… 2021/12/02
視点 【視点】3回目接種 体制づくり急務 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が国内で初確認された。感染再拡大に備え、政府や各自治体はワクチンの3回目接種に向けた体制づくりを急ぐ必要がある。 オミクロン株は従来株に比べ、感染力が強まり、ワクチンが効きにくくなっている可能性が指摘されている。 南アフリカで確認されたあと、英国、ドイツ、イタリアなど欧州で急拡大した。日本やイスラエルが全外国人の入国を禁止するなど、世界的に警戒… 2021/12/01
視点 【視点】「辺野古」政争の具いつまで 玉城デニー知事は25日、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古沿岸部の軟弱地盤を改良するため、沖縄防衛局が申請した設計変更を認めないと表明した。国、県が新たな法廷闘争に突入することは必至の情勢だ。 玉城知事は設計変更申請について「地盤の安定性について最も重要な地点の調査がない。災害防止に十分に配慮がない」と主張。地盤改良工事についても「必要な試験を実施しておらず、合理的な説明がない。災害防… 2021/11/26
視点 【視点】立憲代表選 問われる党の軸足 立憲民主党の代表選はきょう19日告示、30日投開票される。衆院選敗北の責任を取って辞意を表明した枝野幸男代表の後任選びで、現時点で泉健太政調会長(47)、逢坂誠二元首相補佐官(62)、西村智奈美元厚労副大臣(54)、小川淳也元総務政務官(50)が立候補を表明。立憲民主党と共産党の「野党共闘」の是非などが争点となる見込みだ。 立憲民主党にとっては結党以来初の党首交代になる。野党第一党として、名実とも… 2021/11/19
視点 【視点】沖縄で重要性増す自衛隊 沖縄では若い世代を中心に、自衛隊の活動に対する支持が広がっている。在沖米軍に対する県民感情が依然厳しい中、米軍の役割も肩代わりする形で、自衛隊は県民の命や財産を守る活動を拡大させる必要がある。 陸、海、空自衛隊の統合演習が19日から30日まで、県内などで実施される。万一の事態にしっかりと備え、この機会に沖縄における自衛隊のプレゼンス(存在感)を示すことで、県民の安心安全に寄与してほしい。 演… 2021/11/17