教育 OKINAWA考古学(11) 連載開始からまもなく4カ月になろうとしているOKINAWA考古学。ここらで読者の皆様からのご質問に答えていきたい。多かったのが、この質問だ。 「掲載されている写真は難破船の残骸や割れた陶磁器などがほとんどだが、割れていないものが見つかった例はないのか?」 「海底遺跡の調査の歴史は新しく、まだまだ分かっていないことが多い。海底の遺物についても、どのような状態で見つかったのか。他に遺物はないのか。散布… 2022/06/26
教育 OKINAWA考古学(10) 先週に引き続き、沖縄本島うるま市沖合の南浮原島の海底に眠る難破船の遺物の紹介。沖縄県立埋蔵文化財センターの調査によると、海底の砂の中から船釘が2本露出しており、木製の船体の一部が残っていることが推察されるという。 また、海底の岩の間には透明なガラス製品や、鳥を模した装飾品などが見つかっている(写真1)。いつ頃の船なのか興味深い。 現場からは船体を安定させる重りとして使用されたバラストも見つかってい… 2022/06/25
教育 OKINAWA考古学(8) 多良間島北西部・高田海岸沖の海底遺跡。この海域で座礁・難破したオランダ商船ファンボッセ号の残骸と考えられる多量の遺物が確認されている。中国産陶器や、船の銅釘(写真1)、転覆を防ぐバラスト(重し)も見つかっている(写真2)。 なお、中には、用途の特定できない銅製品の破片も見つかっている(写真3)。一体、船のどこの部品だったのだろうか(写真提供=沖縄県立埋蔵文化財センター。同センター調査報告書第52集… 2022/06/23
教育 OKINAWA考古学(7) 先週お知らせした、多良間島北西部の高田海岸。難破したファンボッセ号は、上海からシンガポールに向かう途中だったとされている。沖縄県立埋蔵文化財センターでは、写真左奥に見える2つの岩の近くの海底で遺物を多数確認した。恐らく、この近くで座礁したのだと考えられる。 その1つが、中国産青花皿。絵付けが消えかけており、割れた部分が丸くなっていることなどから、海底で何度も摩擦を受けていたようだ。難破さえしなけれ… 2022/06/22
教育 OKINAWA考古学(5) 潜水調査では、遺物が確認出来た場所に目印をつけ、散布している範囲を調べる(写真1)。海底に半分以上埋没している場合もあり、砂を払って遺物の確認を行ったり、2人がかりで連携を取りながら、GPSで位置記録を取ったりする。潜る時間が長くなるのも、むべなるかなだ。 ともあれ、努力の甲斐もあって、来間島沖の海底では、中国産青花皿、青磁碗、青磁香炉などを特定できている。大型の壺類も積んでいた船もあったと推定さ… 2022/06/20
教育 OKINAWA考古学(4) 宮古島南西に位置する小さな島、来間島。西部の海岸(写真1)には、16世紀前半と考えられる中国産陶磁器が多数確認されている。内面に十字花文が描かれた青花皿も漂着していた。浜辺の散歩が楽しくなりそうである。 海底も同様だった。沖縄県立埋蔵文化財センターが調査したところ、青花を中心に青磁・白磁・褐釉陶器などが見つかったのだ。琉球王国の全盛期には、中国と琉球との間に多くの貿易船が行き交った。同時期の県の陸… 2022/06/19
教育 沖国大創立時の「難産」語る 大濱信泉氏の音声新発見 石垣市出身の法学者で、元早稲田大学総長の大濱信泉氏(1981~76)が73、74年に開かれた沖縄国際大学の式典に出席した際の音声と写真が新たに発見された。音声では、72年に既存の大学2校が統合して同大が誕生した際、仲介役として奔走した経緯を振り返り「(自分は)産婆役だった)「流産させようと思ったこともあった」などと語っている。3日、前津榮健学長が石垣市教育委員会を訪れ、音声と写真のデータを﨑山晃… 2022/06/04
教育 【50年のあしあと②】校長権限で国旗掲揚断行 教員団体は「自然消滅」 元校長・鳩間昇さん ■幻の復帰記念メダル 沖教組八重山支部は米軍基地を残したままの復帰に反発した。政府は1972年4月、復帰記念メダルを製作し、各学校を通じて子どもたちに配布を依頼したが、沖教組は拒否した。 復帰を祝う立場の鳩間さんは、当然のこととして自らが担任するクラスにメダルを配布した。「他のクラスの子どもたちは受け取らなかったと聞いている。あのメダルは今、どこかで積み上げられたままになっているのではないか」と苦… 2022/05/28
教育 【50年のあしあと①】日の丸掲げて復帰行進 仲間と新たな教員団体 元校長・鳩間昇さん 小中学校イベントでの「日の丸」掲揚は現在では当たり前の光景になったが、1999年の国旗国歌法制定以前は、学校現場で県教職員組合(沖教組)の激しい反対運動もあった。そうした中、元小中学校校長の鳩間昇さん(84)=石垣市平得=は現役時代、一貫して「日の丸」掲揚を推進してきた硬骨の教職員だった。 ■純粋な復帰運動 琉球大農学部卒業後、1960年に教員になり、理科教育などを担当した。当時、沖縄の日本復帰運… 2022/05/28
教育 児童虐待相談、20年最多231件 市民の問題意識向上で 石垣市 子どもの健やかな健康を国民全体で考えようと「児童福祉週間」が5日から始まる。石垣市のまとめによると、2020年の児童虐待相談件数は231件で過去最多になり、21年度もほぼ同様の高い水準で推移している。児童虐待に対する市民の意識が高まり、従来は虐待と認識されていなかったケースも含めて問題化されることが増えたためと見られている。市子ども家庭課は、子育てに困った場合「相談してほしい」と呼び掛けている。 … 2022/05/05
教育 「ひたちなかと石垣のかけはしに」 茨城から八重高入学 西野心愛さん 茨城県ひたちなか市立佐野中学校から西野心愛(ここあ)さん(15)がこの春、八重山高校に入学した。心愛さんは、ひたちなか市石垣市友好都市市民の会(松本光栄会長、会員50人)で事務局長を務める祖父の西野滋夫さん(73)と一緒に2歳から石垣島にほぼ毎年訪れており、進学を機に八重山高校への受験を決意。見事合格し、8日午後、滋夫さん、母・真澄さんと中山義隆市長に合格報告した。 2022/04/10
教育 コロナ禍の春 400人余巣立つ 県立高校で一斉に卒業式 県立高校の卒業式が1日、八重山の4高校で行われた。各高で新型コロナウイルス感染対策が徹底され、八重山高校222人、八重山商工高校117人(定時制含む)、八重山農林高校84人、八重山特別支援学校4人の計427人の卒業生が、新しい進路への希望を胸に、慣れ親しんだ学び舎を巣立った。 2022/03/02
教育 通信制高校 来春に開校 石垣市に校舎、原則オンライン 専門学校などを運営する学校法人医学アカデミー(本部埼玉県)の穂坂邦夫理事長は2日、石垣市役所で記者会見を開き、市内に通信制高校の設置を目指す方針を発表した。2023年4月1日の開校に向け、市と連携して手続きを進める。 2022/02/03
教育 給食、異物混入など3件 学校配膳室の改善訴え 石垣市 石垣市の3小、中学校で、7月から11月にかけ、給食に木材が混入したり、食材周辺から虫が発見されたケースが3件確認されていたことが分かった。14日の市議会一般質問で米盛初恵氏が取り上げ、3校とも給食を一時保管する配膳室の衛生状態に問題があると指摘。市教育委員会に対し、早急な改善を要請した。 米盛氏によると、給食への異物混入などがあったのは7月、9月、11月で、それぞれ異なる学校だった。 7月は米飯の… 2021/12/15
教育 石垣に通信制高校設置へ 医療系大学への進学推進 23年4月開校計画 石垣市で、インターネットによる通信制高校を設置する計画が進んでいることが13日分かった。市によると、埼玉県の学校法人が2023年4月の開校を目指し、来年秋ごろ、県に設置許可を申請する予定。通信制高校では医療系大学や専門学校への進学を推進し、将来的には大学を設置したい意向も示しているという。市は通信制高校の拠点として、IT企業支援センター(新栄町)を賃貸する方向で検討している。 2021/12/14
教育 与那国と台湾 太古は陸続きか 近隣種の新種ミミズ確認 与那国島に生息する大型ミミズが、DNA解析の結果や形態的特徴から、台湾北部のタイワンオオミミズに最も近縁な新種であることが、太田英利・兵庫県立大自然・環境科学研究所教授らの研究で分かった。太田教授らは、250万年~500万年前、台湾と与那国島が陸続きだったことを示す有力な証拠になると指摘している。 与那国島のヘビを研究している太田教授は、ヘビが捕食するミミズにも関心を抱き、2013年、町教育委… 2021/11/05
教育 付帯意見に「財源確保を」 有識者会議が提言まとめる 美術館併設「次に検討」 新博物館 提言に盛り込まれる基本理念とコンセプト 基本理念 アジア・世界に開かれた八重山博物館 めざす博物館像 「八重山に生きる」ことへの誇りと郷土への愛着を育む 活動テーマ 守る・育む・つなぐ―八重山の文化継承・創造拠点― サブテーマ 「海・島・空」「自然と人間の共生」「生産・信仰・祭・芸能」「情報の受容と発信」 新博物館整備の方向性 八重山諸島全体が博物館 仮称・新石垣市立八重山博物館建設検討… 2021/10/30
教育 八重高生2人「意欲高まった」 琉大医学部で体験授業 琉球大学医学部は23、24の両日、同学部の体験授業「琉球大学にぬふぁ星講座」を県内の高校生向けに開講した。八重山高校からは2年生の後呂友紀君(17)と長浜月さん(同)が参加。実施に分子解剖学や整形外科学の授業を受講した。 後呂君は「入学後の生活やテストの内容を詳しく教えてもらった。入学後のイメージが鮮明になった。入学意欲が高まった」と笑顔を見せた。 講座では現役の医学部1年生が行う内容とほぼ… 2021/10/26
教育 石垣市 「1人1台」端末配布開始 授業でネット活用本格化 授業でインターネットを活用するため、文科省が推進するGIGA(ギガ)スクール構想の実現に向け、石垣市内の学校でタブレット端末「Surface(サーフェス)Go2」を生徒1人に1台配布する取り組みが始まった。このうち石垣第二中学校(友利始夫校長)では28日、3年生がタブレット端末の初期設定を行った。 同校は学級ごとに情報通信技術(ICT)のリーダーを決め、先にオリエンテーション研修を受講。この日は… 2021/09/29
教育 感染なら学校寮一時退去 県教委「2週間程度」 市議会 療養施設の確保求める 県教育委員会は、県立学校の寮で新型コロナウイルスの感染者または濃厚接触者が発生した場合、寮内で療養させず、保健所が指示する2週間程度の期間は退寮させる方針を決めた。これに対し石垣市議会(平良秀之議長)は27日の臨時会で、県が責任を持って退寮者の宿泊療養施設を確保するよう求める意見書を全会一致で可決した。 2021/08/29