中国、沖縄の抗議無視 日本漁船への威嚇続く 尖閣周辺

2019年11月、尖閣諸島周辺を航行する中国公船「海警2202」=第十一管区海上保安本部提供

石垣市の尖閣諸島周辺で、領海侵入した中国公船がまた日本漁船に接近した。11月に来日した王毅外相は、尖閣周辺に出漁する日本漁船を「偽装漁船」と呼び、中国公船による威嚇行為を正当化。これに対し、沖縄県議会、石垣市議会などが相次いで抗議決議を可決したが、中国政府の〝抗議無視〟が鮮明になった。

中国公船が尖閣周辺の領海外側にある接続水域で航行した日数は今年、初めて300日を突破。日本の領海内で操業する日本漁船を追尾するなどの威嚇行為も頻発している。
中国の全人代(全国人民代表大会)常務委員会は22日から、中国公船に武器使用を認める「海警法」案の審議を始めた。今後、尖閣周辺から日本漁船を排除するための動きがエスカレートする懸念もある。
石垣市議会で抗議決議を提案した砥板芳行市議は「王外相が『偽装漁船』という新たなワードを出してきたのは、尖閣周辺の外国船に法執行するという警告だと受け止めたほうがいい。中国は(尖閣奪取に向け)用意周到に段階を上げてきているが、政府には危機感が全くない」と指摘する。今回接近された日本漁船は、県内の漁協に所属している。
中国公船「海警」は中国軍事委員会の指揮下にあり、準軍事組織として中国海軍との一体化が進む。一方、日本の巡視船は、海上保安庁法によって軍事組織としての活動を禁止されたまま「海警」との対峙を強いられている。
砥板氏は「海上保安庁法を改正し、海保のあり方を見直すべきだ。外国船への対処能力を向上させる必要がある」と訴えた。
石垣市議会の抗議決議は中国の習近平国家主席宛てに送付された。自らも漁業者として尖閣海域への出漁を予定している石垣市議の仲間均氏は、抗議決議後も中国公船の威嚇行為が続いていることについて「中国が本気で尖閣を取りに来ているということだ」と割り切った口調で話した。

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