台湾航路、4月就航なるか 与野党から懸念、正念場に 石垣市
商船やいまの「やいま丸」(同社ホームページより)
株式会社商船やいま(大濱達也社長)が計画する台湾基隆―石垣定期フェリー航路は、当初の就航予定が大幅に遅れ、4月の就航を目指して作業が進んでいる。同社が国と市の支援を受け、韓国企業から購入した貨客船「やいま丸」は既に引き渡され、基隆港に回航されており、就航前から多額の固定費が発生していると見られる。24日に閉会した市議会3月定例会では与野党の市議が事業の進ちょくに懸念を示しており、航路開設を主導してきた市も正念場を迎えることになりそうだ。
就航は昨年秋の予定が年明けに延期されたが、3月下旬になっても実現していない。23日の市議会一般質問で菅沼大喜企画部長は「やいま丸」のパナマ船籍取得に伴い、パナマ政府が認める基準を満たすための最終調整を行っていると報告。運航に必要な証書類は「3月22日付ですべてそろった」と述べた。
石垣港の受け入れ体制に関しては、CIQ(税関、出入国、検疫)の体制構築、関係事業者との協議に時間を要していると答弁した。
台湾側の船舶代理店はワゴングループが受託した。一方、日本側の船舶代理店は、県内の事業者が人手不足を理由に受託せず、現在、本土の事業者と交渉しているが、まだ受託に至っていないことが一般質問で判明した。
貨客船「やいま丸」は5月6日までに5年に一度の定期検査を受ける必要があり、23日からドック入りした。市は「通常なら2週間程度の検査だが、就航前であることや、直前にドックで検査を行っていることから一部の検査が免除されると見込まれる」(菅沼部長)と説明。定期検査完了後、トライアル運航を経て就航の運びになるという。
中山義隆市長は市議会で「ゴールデンウィークにはどうしても需要が大きくなるので、これは(就航の)マストだと商船やいまにも伝えている」と強調。4月中の就航を必達目標に据えた。
「やいま丸」は昨年7月に基隆港に回航されており、市によると固定費として岸壁の係船料、ワゴン側が確保した乗組員の人件費、燃料費が継続的に発生している。固定費はワゴン側が立て替えているが、請求書がまだ届いていないため、具体的な金額は不明という。
市は船舶の設備改修費用に関し、既に商船やいまに約5億4700万円の損失補償を行っている。市議会3月定例会の一般質問では、野党の大道夏代氏が「(台湾航路は)絶対に採算は取れない。絶対に赤字補填はしないでほしい」、与党の仲間均氏が「すべて後手に回っている。何ら説明もしない。これでいいのか」と述べるなど、与野党を問わず先行きを不安視する声が広がった。
同社には市が1千万円を出資しており、市当局は12月定例会で同社が「3セク」だと明言した。出資比率は公表していないが、地方自治法に基づき、自治体に立ち入り調査などの権限が発生する25%には達しておらず「25%未満」としている。