「市民の安心を」「環境影響不安」 防衛省説明会で賛否 陸自配備計画

石垣島への陸上自衛隊配備計画に関する一般市民対象の説明会が開かれた=29日夜、市民会館大ホール

 石垣島への陸上自衛隊配備計画で、防衛省は一般市民対象の説明会を29日夜、石垣市民会館大ホールで開き、約230人が参加した。会場からは、陸自配備に対し「安全で安心できる石垣市を一日も早く築いてほしい」などと賛成意見が出る一方、環境への影響を懸念する反対意見も上がった。防衛省は来年2月にも駐屯地建設に着工する方針で、用地取得に向けた作業を進めており、一般市民対象としては着工前最後の説明会になると見られる。

 防衛省からは、整備計画局施設計画課の江原康雄課長らが出席し、配備計画の概要を説明。質疑では、物資を輸送する航空機が学校などの上空を飛行する可能性を懸念する声が上がり、防衛省側は「輸送は基本的に海路を使うが、航空機は学校上空を飛ばないよう指導している」と答えた。
 配備賛成の市民からは「自衛隊と消防との連携は可能か」「自衛隊の医官は地域医療に貢献できるか」などの質問が出た。防衛省側は、医療や消防は基本的に地元の責任とした上で、地元と協議の上、必要な協力は行う考えを示した。
 賛成の立場からは、ほかに「中国は尖閣諸島を取ろうとしている」と中国の脅威を指摘し、早期配備を求める声も相次いだ。
 配備反対の市民からは、配備予定地が水源地の上流に位置するとして、水源への影響の可能性を問う声が続出。「予測できない水源への影響が起こったらどうするのか」「専門家は、環境アセスが不可欠と提言している」などと指摘し、防衛省側は「一般的に水に影響を与えるということはない。必要な対策を講じた上で工事を施工する」と理解を求めた。
 反対の立場からはほかに「石垣の岐路だ。慎重に議論すべきだ」と訴える声も上がった。
 説明会には中山義隆市長も出席。終了後、報道陣の取材に対し「防衛省の説明会なのでコメントはない」と述べた。

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