視点 【視点】徳勝龍初V「古き良き時代」の大相撲 優勝インタビューを見て、涙腺がゆるんだ視聴者も多かったかも知れない。初優勝を決めた瞬間、感極まって顔をくしゃくしゃにした姿には、思わずもらい泣きしてしまいそうな実感がこもっていた。 大相撲初場所で、徳勝龍が幕尻優勝を飾った。番付最下位の力士が果たした20年ぶりの快挙を「下剋上」と報じたメディアもあった。33歳5カ月の初優勝は歴代3番目の遅さ、日本出身力士としては最年長という。 徳勝龍の初優勝… 2020/01/29
視点 【視点】観光客1千万人 足元に迫るリスク 県が発表した2019年の入域観光客数は1016万3900人で前年を31万6200人(3.2%)上回って過去最高になり、暦年で初めて一千万人を突破した。観光を産業の柱に据え、順調に成長する県経済の姿が見えるような数字だ。しかし足元では、世界的な新型肺炎の感染拡大などの危機も迫っている。観光関係者にとどまらず、県民が一様にリスク管理の意識を高めるべき時だ。 入域観光客の内訳を見ると、国内客は723… 2020/01/28
視点 【視点】新型肺炎 沖縄も感染リスク高まる 中国の湖北省武漢市で見つかった新型コロナウイルスの肺炎は感染が急拡大している。春節(旧正月)に伴う大型連休(24~30日)中には多くの中国人が旅行などで移動するため、中国人観光客が多い沖縄も感染リスクが高まる。水際の侵入防止対策はもちろんだが、患者発生を見越した対応策の確認など、危機管理のレベルを通常より上げて警戒する必要がある。 新型肺炎の感染者数は600人に迫り、死者数も22日までに17人… 2020/01/24
視点 【視点】ヘリポート問題 県の存在感薄く 竹富町などの離島から石垣島への急患搬送で、ヘリポートの位置をどうするかが議論になっている。 急患搬送は第11管区石垣海上保安部石垣航空基地が実施している。従来は旧石垣空港跡地にある真栄里ヘリポートが使用され、ヘリポートと県立八重山病院も目と鼻の先にあった。しかし、周辺で石垣市の新庁舎建設工事が始まり、昨年12月6日からヘリポートは運用停止。ヘリの離発着場は新石垣空港に変更された。 病院までの… 2020/01/23
視点 【視点】首相施政方針 沖縄政策過渡期か 例年に比べ、沖縄への言及が素っ気ない印象はぬぐえない。安倍晋三首相が通常国会初日の20日、施政方針演説をした。 沖縄の米軍基地負担軽減には触れたが、具体的には2020年代前半の海兵隊グアム移転のみにとどまり、焦点である米軍普天間飛行場の辺野古移設には言及しなかった。必然的に、辺野古とセットになっている米軍普天間飛行場の全面返還という文言も消えた。 普天間返還を国政の重要課題と位置づけ、政府を… 2020/01/22
視点 【視点】安保60年 意義大きいが課題も 現行の日米安全保障条約が署名60年を迎えた。日本と東アジアの安定に日米同盟が果たしてきた役割は大きく、日米安保が戦後日本の平和と繁栄の礎となってきたことは、動かせない事実だ。 一方で、国土面積の約0・6%の沖縄に在日米軍専用施設の約70%が集中する問題が重くのしかかっている。沖縄の米軍基地負担軽減は喫緊の政治課題だ。 しかし沖縄を取り巻く国際情勢は、むしろ抑止力の強化を必要とする方向へ動いて… 2020/01/19
視点 【視点】閣僚の育休 別の議論が必要 小泉進次郎環境相は15日、省内で開いた会合で「育児休業」を取得する意向を表明した。閣僚の育休所得は初めてだという。月内に予定されている第1子誕生後の3カ月間に合計2週間、育児のための時間を確保する。 少子化の進行を食い止めるためにも、小泉氏の決断が男性の育休取得を推進する呼び水になってほしい。ただ、閣僚の育休取得が果たして適切かという議論は避けられないだろう。 小泉氏は、育休を「どのように取… 2020/01/17
視点 【視点】豚コレラ 侵入防止対策徹底を うるま市で豚コレラ(CSF)の発生が確認されて15日で1週間が経過した。感染は隣の沖縄市に拡大し、15日にはうるま市で4例目となる豚コレラ感染が確認されるなど、沖縄本島ではいまだ終息のきざしが見えない。離島の八重山では感染は確認されていないが、空港や港湾での水際防止対策や、各養豚農家の衛生管理を徹底させ、侵入防止を図る必要がある。 豚コレラは豚やイノシシに感染する家畜伝染病で、発熱や食欲減退な… 2020/01/16
視点 【視点】蔡氏再選 交流強化の機会に 台湾総統選が11日投開票され、中国共産党に批判的な民進党の蔡英文総統が史上最多得票で再選された。 台湾は八重山諸島に隣接し、沖縄にとって一衣帯水の間柄だ。「民主主義の砦」が守られ、中国の影響力拡大が阻止されたことになり、沖縄にとっても安堵すべき結果と言える。 蔡氏はツイッターに日本語で「国民の声に謙虚に向き合い、不動の心で困難を乗り越え、そして、同様に台日の絆を深めていきたいです!」と書き込… 2020/01/14
視点 【視点】自衛隊中東派遣 当然の判断 緊迫する中東で日本船舶の安全を確保する活動の一環として、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が11日、中東海域での情報収集活動に当たるため、那覇航空基地を出発した。護衛艦「たかなみ」も2月2日に出航する。 情報収集活動の期間は20日から12月26日まで。P3C2機と護衛艦はオマーン湾、アラビア海北部、アデン湾(バベルマンデブ海峡東側)の3海域の公海で活動する。 日本は中東に原油の供給を依存しており、… 2020/01/12
視点 【視点】下地氏の維新除名と保守中道の危機 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、贈賄側とされる中国企業から100万円を受け取っていた下地幹郎衆院議員=九州比例=が維新から除名処分と議員辞職勧告を受けた。 下地氏は沖縄で、「オール沖縄」を名乗る革新勢力に対し、自民、公明、維新の保守中道勢力を結集させたキーマンだ。 今年は6月の県議選のほか衆院解散の可能性もささやかれており「オール沖縄」対保守中道勢力の対決が最大の… 2020/01/10
視点 【視点】米・イランの緊張高まる 米国とイランの関係が一気に緊張の度を高めている。イランは8日、米軍によるイラン精鋭部隊のソレイマニ司令官殺害に報復し、イラクにある米空軍基地など2拠点を弾道ミサイルで攻撃した。 安倍晋三首相は「さらなる事態の悪化を避けるため、あらゆる外交努力を重ねたい」と官邸で記者団に述べた。 米国は、ソレイマニ司令官が米側などへの大規模な攻撃を計画していたと主張している。 日本政府は、司令官殺害に関する… 2020/01/09
視点 【視点】胸張れる死亡事故ゼロ最長 八重山署管内の交通死亡事故ゼロが昨年12月、本部署が持っていた県内最長記録の1494日を更新した。記録はその後、1500日を超え、現在も伸び続けている。人口約5万人の地域で、実に4年超に及ぶ記録だ。八重山住民が全国に胸を張れる記録だし、今後も住民一人ひとりが強い意識を持って日数を積み重ねてほしい。 国境の島である石垣島でも、年々交通の混雑が深刻化している。「一人一台」とも言うべきマイカー時代の… 2020/01/07
視点 【視点】尖閣問題、日本の試金石に 今年も年明け早々、尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入した。政府が日中関係について「改善基調にある」と強調するが、中国は、尖閣諸島をうかがう姿勢を全く改めていない。それどころか、中国が「百年の大計」として尖閣奪取の計画を進めてきたらしいことも明らかになった。この状況では中国共産党政権が続く限り、八重山住民は今後50年、100年と、軍事大国の脅威に直面する現実を覚悟しなくてはならないだろう。 共同通… 2020/01/06
視点 【視点】観光中心に経済拡大の1年 1年間を振り返る時、多くの人たちにとって評価の基礎となるのは経済ではないか。今年の沖縄は順調に観光客数が伸び、雇用も活発で、経済の拡大基調が続いた。総体的に、まずまずの1年だったかも知れない。 観光客数は1千万人時代に突入し、沖縄本島だけでなく離島の宮古、八重山に至るまで活気がみなぎっている。宮古はさながらバブル期のようだと言うし、八重山を訪れた観光客も、今年は過去最高の140万人台に達する見… 2019/12/29
視点 【視点】辺野古移設、茨の道でも前へ 米軍普天間飛行場の辺野古移設工事が、当初予想の2倍近い約9年3カ月に達する見通しになった。総工費は約9300億円で、飛行場整備も含めた事業完了まで約12年かかるという。 移設工事は、同飛行場がある宜野湾市民の危険性除去が最大の目的である。工事が長期になればなるほど、本末転倒との批判が高まることは必至だ。時間との戦いになるのかも知れないが、防衛省は少しでも工期が短縮できるよう、今後も最大限の努力… 2019/12/28
視点 【視点】IR事件 沖縄進出望んだ中国企業 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業への参入に絡む収賄容疑で衆院議員の秋元司容疑者が逮捕された。贈賄側とされた中国企業「500ドットコム」が2017年8月に那覇市で開いたIRに関するシンポジウムが両者の接点になったとの報道もあり、沖縄も事件と無関係ではない。 IRは外国人観光客誘致に有効な成長戦略の一環とされ、大阪府、大阪市が運営事業者の誘致に向けて全国初となる公募手続きを開始。横浜市、… 2019/12/26
視点 【視点】陸自配備、円滑な市有地提供を 石垣市は防衛省に対し、陸上自衛隊配備計画の予定地となっている平得大俣の市有地を売買と賃貸で提供することを決めた。施設整備予定地は売却、残りの部分は賃貸の方針だという。今後、市議会に市有地売買の承認を求める議案が上程される予定だ。 陸自配備予定地では防衛省が買収した民有地で駐屯地建設に向けた用地造成工事が進んでいる。隣接する市有地は長く宙ぶらりんの状態が続いていたが、市がようやく一定の方針を打ち… 2019/12/24
視点 【視点】島と調和したゴルフ場建設を 「ゴルフ外交」という言葉が最近、ニュースをよく賑わせる。安倍晋三首相とトランプ米大統領が相互に相手国を訪問する際、現地でゴルフを楽しみながら個人的関係を深めているのだ。トランプ氏は自らゴルフ場を所有するが、やり手のビジネスマンでもある大統領がそこまで熱中するほど、ゴルフには不思議な魅力があるようだ。 ところが、石垣島の住民や、島を訪れた観光客はゴルフを心ゆくまで楽しむことができない。チャンピオ… 2019/12/20
視点 【視点】バランス外交に危うさも 米議会で圧倒的な支持を得て可決された香港人権法にトランプ大統領が署名し、同法が成立した。自由と民主主義の騎手として、人権を弾圧する中国への対決姿勢を鮮明にしたことになる。中国との関係改善を進める日本だが、対中融和姿勢が過ぎれば、米国との板挟みになる可能性もある。 中国政府は声明で「誰も中華民族の偉大な復興を止めることはできない」などと居丈高に反発した。そもそも、香港で問われているのが自由や民主… 2019/11/30