視点 【視点】話し合い「拒否」はデメリットだけ 石垣島への陸上自衛隊配備計画を進めている防衛省は、駐屯地建設予定地周辺の4地区を対象にした住民説明会を21日に開いた。しかし配備に反対する4地区の公民館長らは「説明会は既成事実づくりだ」と抗議し、不参加を表明した。説明会は、陸自配備に対する疑問点を防衛省に直接ただす絶好の機会であり、話し合いを拒否する住民の姿勢は残念だ。 周辺住民からは、かねてから駐屯地にヘリが飛来する可能性や、配備によって水… 2018/11/24
視点 【視点】平和行事、中国不参加でも意義薄れず 石垣島から世界に平和を発信しようと12月9、10の2日間開かれる世界平和の鐘設置30周年記念イベント「ピースベルアイランド・イシガキ2018」(主催・同実行委員会)に、中国が欠席することがほぼ確定した。石垣市が近隣諸国を中心に世界各国の大使を招待していたが、尖閣諸島問題で対立する中国大使の動向が焦点だった。中国の不在はやむを得ないが、18の国・地域・機関が参加する沖縄でも稀有な平和イベントだ。世… 2018/11/20
視点 【視点】訪米も具体的な展望見えず 玉城デニー知事が、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるため訪米している。12日(日本時間13日)にはニューヨークの国連本部で軍縮担当の中満泉国連事務次長と会い「沖縄をアジアの平和のための緩衝地帯にしたい」と述べた。これは翁長雄志前知事がたびたび使っていた言葉だ。この発言に象徴されるように、玉城知事は米国でも前知事と同じ主張に終始するのだろうか。そうであれば、今回の訪米が何らかの新局面につなが… 2018/11/15
視点 【視点】辺野古、恣意的な行政は問題 玉城デニー知事は9日、日本外国特派員協会で記者会見し、米軍普天間飛行場の辺野古移設について「計画変更が生じるたびに知事の許可を求めないといけない。そのつど工事がストップし、何年かかるか分からない」などと述べた。設計変更の許可などの知事権限を駆使して移設を阻止する考えを示したものだが、恣意的な行政の運用は問題だ。発言は慎重であってほしい。 行政の許認可権限は法律や条例などの手続きに基づいて行使さ… 2018/11/11
視点 【視点】前県政の教訓生かせぬ県 辺野古協議 玉城デニー知事は6日、菅義偉官房長官と会談し、米軍普天間飛行場の辺野古移問題で謝花喜一郎副知事と杉田和博官房副長官による1カ月程度の協議を開始することで合意した。ただ玉城県政に、翁長雄志前知事時代と異なる展望や戦略が存在するようには見えない。知事の訴えが日米両政府に対して説得力を持たない現実を直視し、発想の転換を模索しなければ、翁長県政と同じ失敗を繰り返すだけに終わってしまう。 玉城知事による… 2018/11/08
視点 【視点】一筋縄ではいかない中国との付き合い 石垣島を平和発信の島にしようと、石垣市は12月、世界平和の鐘設置40周年のイベント「ピースアイランド・イシガキ2018」を開催する。尖閣諸島問題で対立する中国から駐日大使を招き、基調講演などを計画しているというが、現時点で中国側に応じる気配がないという。中国という国との付き合いは難しい。相手が一筋縄ではいかないからだ。 今年は日中平和友好条約締結40年の節目に当たり、10月には安倍晋三首相が日… 2018/11/02
視点 【視点】県民投票、拒否も一つの選択肢 県議会が与党の賛成多数で「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての是非を問う県民投票条例」を可決し、県民投票が実施されることになった。都道府県単位の住民投票としては、1996年に沖縄で実施された米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを問う県民投票に次ぎ、全国で2例目という。住民の意思を直接的に問う県民投票の制度自体は意義深いが、今回のものは問題含みだ。石垣市議会は県民投票に反対する意見書を決議して… 2018/10/29
視点 【視点】明治改元150年 沖縄の歩み 大河ドラマ「西郷どん」で明治維新が再び脚光を浴びている。今年は1868年の明治改元から150年の節目に当たり、23日には東京で政府の記念式典が開かれた。明治維新は自由で繁栄する日本、ひいては沖縄を形作る原点となった。沖縄にとっても意義深く、改めて明治期の先人の偉業を胸に刻みたい。 式典では安倍晋三首相が式辞を述べ、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「わが国が直面する少子高齢化や激動する国際情勢に… 2018/10/26
視点 【視点】辺野古移設、空論に近い県主張 玉城デニー知事は就任後初となる県議会に臨んでおり、19日は代表質問、22日は一般質問で答弁に立った。焦点の一つとなっている米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をめぐっては、県政と野党・自民党の溝が改めて浮き彫りになった。辺野古移設が普天間飛行場返還の実現に向けた「最短ルート」である現状を踏まえると、移設を遅延させた翁長雄志前県政の「徒労の4年間」が、玉城県政でも繰り返されるのではという懸念は拭えない… 2018/10/24
視点 【視点】普天間返還 打開への決意 県が米軍普天間飛行場の移設先である辺野古沿岸の埋め立て承認を撤回したことに対し、沖縄防衛局は17日、石井啓一国交相へ行政不服審査法に基づく審査を請求し、撤回の執行停止も申し立てた。普天間飛行場の返還合意から22年経過し、全く前進がない現状を何が何でも打開しようという政権の固い決意を示したものだ。玉城デニー知事は「知事選で示された民意を踏みにじるもの」と反発したが、県と国の対話のみで妥協点を見出す… 2018/10/19
視点 【視点】何のための辺野古県民投票か 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、石垣市議会は17日、県議会に上程されている県民投票条例案に反対する意見書を賛成多数で可決した。県内初だという。日本の安全保障政策を、一自治体の住民が多数決で左右することはできない。県民投票の意義は極めて薄く、石垣市議会の意見書は妥当な内容だ。今後、署名活動が始まると見られる石垣島への陸上自衛隊配備計画を問う住民投票に関しても、同じことが言える。 一般的に、… 2018/10/18
視点 【視点】知事演説、対立色避ける配慮も 玉城デニー知事は県議会で行った初の所信表明演説で、改めて米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する考えを示した。ただ移設阻止を「県政運営の柱」とまで言い切った翁長雄志前知事に比べ、日米両政府に対する批判のトーンは抑制的で、「沖縄らしい優しい社会の構築」などの新たなキーワードを打ち出し〝デニー色〟を演出した。いたずらに本土との対立を煽るフレーズが消え、前県政よりも現実的な方向に踏み出した内容と評価でき… 2018/10/17
視点 【視点】保革超えた「オール沖縄」は瓦解 14日投開票された豊見城市長選は、玉城デニー知事を支持し、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する前市議の山川仁氏が初当選した。現在、県内11市のうち9市で安倍政権と連携する保守系市長が在任しているが、豊見城市の市政交代で一人減る。玉城知事にとっては市部で支持勢力が拡大することになり、県政運営の弾みになる。 豊見城市では、20年続いた保守市政が倒れた。「オール沖縄」勢力の勝利という見方もあるが「… 2018/10/16
視点 【視点】前県政の教訓生かし前進を 玉城デニー知事が4日就任した。就任後初の記者会見では「米軍普天間飛行場の一日も早い閉鎖と返還、辺野古新基地建設阻止に全身全霊で取り組む」と強調。「対話によって解決策を導く」とも述べ、日米両政府に、対話の窓口を求める考えを示した。辺野古移設の阻止に向け「翁長雄志前知事の遺志を引き継ぎ、今こそ県民が心を一つにする必要がある」と県民に協力を呼び掛けた。 これに対し、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、… 2018/10/05
視点 【視点】「辺野古」いつまで政争の具に 知事選は翁長雄志知事の後継者である玉城デニー氏(58)が過去最多の39万票超を獲得し、自民、公明、維新が推薦する佐喜真淳氏(54)に約8万票の大差をつけて圧勝した。報道各社の出口調査では、無党派層の約7割が玉城氏に投票したと見られる。これは驚異的な数字だ。翁長知事の「弔い合戦」ムードも大きいが、主な要因となったのは、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題だ。 玉城氏は当選後のインタビューで「選挙の大… 2018/10/02
視点 【視点】沖縄の未来決する1票 台風24号の接近で、沖縄本島は大荒れ。激戦を繰り広げた知事選を象徴するような選挙戦最終日となった。自民、公明、維新が推薦する前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)と、翁長雄志知事の後継者である玉城デニー氏(58)による事実上の一騎打ちは、きょう投開票日を迎える。 普天間飛行場の辺野古移設が重大な局面を迎え、2021年度で期限切れとなる沖縄振興特別措置法の改定問題も控える。沖縄は大きな曲がり角を迎えよ… 2018/09/30
視点 【視点】離島振興への本気度試される 知事選では離島振興策も大きなテーマだ。沖縄そのものが離島県だが、離島の離島である宮古、八重山は沖縄本島に比べ、さまざまなハンディキャップを抱える。 離島住民が強く訴えているのが航空運賃の軽減だ。航空便は離島から沖縄本島、本土に向かう唯一の交通手段であり、住民生活と観光産業の生命線でもある。航空運賃はLCCなどの参入で一時、大幅に値下がりしたが、航空会社の撤退が相次いだことで上昇に転じ、現在、地… 2018/09/28
視点 【視点】勝敗のカギ握る〝無党派層取り込み〟 知事選は27日から「3日攻防」に入る。報道機関などの各種世論調査を見ると、翁長雄志知事の後継者であることを前面に打ち出す玉城デニー氏(58)が優勢で、自民、公明、維新が推す佐喜真淳氏(54)が猛追する展開になっていると見られる。勝利に向けた最後のカギは無党派層が握りそうだ。 2014年の前回知事選では、自民党県連幹事長などを歴任し、保守本流を自認する翁長雄志知事と、共産、社民などの革新勢力が手… 2018/09/27
視点 【視点】所得向上 求められる指導力 知事選で争点の一つになっているのが全国一低い県民所得の問題だ。全国の2倍超とされる子どもの貧困問題や高い離婚率など、沖縄が抱えるさまざまなトラブルが、所得水準の低さに起因する可能性がある。2015年度の1人当たり県民所得は全国平均の319万円より100万円以上低い216万6千円にとどまっている。 経済政策について佐喜真淳氏(54)は「県民所得を300万円に引き上げ、子どもの貧困を撲滅する」、玉… 2018/09/25
視点 【視点】誰が勝者でも「対立」解消を 知事選の隠れたキーワードは「対立」だ。米軍基地問題をめぐり、翁長雄志知事のもとで激化した沖縄県と政府の対立を新県政が修復できるかが一つのポイントになる。 選挙戦は自民、公明、維新などが推薦する佐喜真淳氏と、翁長氏の後継者である玉城デニー氏による事実上の一騎打ちとされるが、誰が勝者になっても、対立の解消と関係の修復は必要だ。 翁長県政の評価について、佐喜真氏は翁長氏が過重な基地負担を全国に発信… 2018/09/21