視点 【視点】県民投票、沖縄に傷残した 投票権は大切な権利だが、投票することがかえって沖縄の未来に影を落とす結果を招くかも知れない―。少なからぬ有権者にそんな懸念を抱かせ、無念の思いで棄権という選択をさせた、問題の多い県民投票だった。投開票が終わった今も、その懸念は重くのしかかったままだ。 「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」。この設問から、米軍普天間飛行場の危険と隣り合わせの宜野湾市民に思いを馳せる人はどれだ… 2019/02/25
視点 【視点】県民投票過熱、懸念が現実に 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」を問う県民投票があす24日に迫ったが、米軍普天間飛行場の辺野古移設に対するネガティブな情報が県や基地反対派から次々と発信されている。中には「フェイクニュース」や印象操作ではないかと思われるものもある。辺野古移設を容認する自民党が静観する中、反対派の運動が一方的に過熱する状況は告示前から予想されていたが、懸念が現実になったようだ。 県は20日、国土交通省に提… 2019/02/23
視点 【視点】陸自配備、国民守る責任着々と 石垣島への陸上自衛隊配備計画は、早ければ今月中にも駐屯地建設工事が始まりそうだ。防衛省は13日、着工前最後の住民説明会を開いた。質問者の多くが反対派で、会場に怒号が響くなど異様な雰囲気になったが、石垣市の中山義隆市長は既に配備への協力方針を示している。 中国の軍事的拡張など、沖縄を取り巻く国際環境が悪化される中、政府には国民の生命や財産を守る責任がある。着々と責任を果たし、駐屯地の早期整備を進… 2019/02/15
視点 【視点】なぜ「賛成」と言えないのか 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票があす14日告示される。政府は県民投票の結果にかかわりなく、米軍普天間飛行場の辺野古移設工事を進める考えを示しており、県民投票に工事を止める直接的な効力はない。 ただ埋め立て承認撤回を巡り、今後予想される県と国の法廷闘争で、県や反対派は、反対多数の結果を得て、有利な材料に使いたい思惑がある。県民投票の結果が辺野古移設の行方に全く影響がな… 2019/02/13
視点 【視点】「健全野党」へ混乱収束を 自民党県連は4日、常任総務会を開き、照屋守之会長の辞任を全会一致で承認した。照屋氏は県民投票条例の改正を巡り、党所属県議の足並みが乱れたことの責任を取りたいとして辞表を提出。その後辞意を撤回したが、常任総務会では続投を認めなかった。 玉城デニー県政は米軍普天間飛行場問題で政府との対立を深めており、現在の路線が続けば、今後の基地負担軽減や、沖縄振興に悪影響が出る恐れがある。県益を損ないかねない県… 2019/02/06
視点 【視点】住民投票、求められる慎重さ 石垣市議会は1日、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例案を採決し、賛否同数となったため、平良秀之議長が否決を決定した。今回の住民投票は実施されないことになり、陸自配備計画をめぐる当面の混乱は回避された。妥当な判断である。沖縄防衛局は今月中にも駐屯地建設予定地の用地造成に着手する方針だ。 八重山では、過去に3度の住民投票が実施されている。石垣市の新庁舎建設位置を問う住… 2019/02/03
視点 【視点】反対議員に敬意表する 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票条例が29日の県議会で改正され、選択肢が「どちらでもない」を加えた3択になった。自民県連は全会一致を目指したが、改正の内容に納得できないとして5人が反対に回った。この条例改正は、今回の県民投票に対する疑問に応える内容では到底ない。筋を通して反対した5人の議員に敬意を表したい。 県民投票の実施を拒否した5市長の判断は、県民投票のさまざまな… 2019/01/31
視点 【視点】県民投票 政治ショー化の恐れ 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票は、県議会の与野党が設問の選択肢を2択から3択に増やす案で合意したことから、実施を拒否していた5市が方針を転換し、全市町村で実施される見通しになった。ただ、これまで指摘されてきた県民投票の問題点は、多くが解消されないまま残った。これでは安易な妥協という印象は拭えない。このまま2月に県民投票が全市町村で実施されても、無意味な政治ショーに終わ… 2019/01/26
視点 【視点】自衛隊住民投票、尽きぬ疑問 石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票条例案が、21日から石垣市議会で審議入りした。条例制定請求代表者の陳述や、与党市議との質疑応答を通じ、住民投票を巡るさまざまな疑問が早くも浮上している。市議会には慎重審議が求められる。 「石垣市住民投票を求める会」の金城龍太郎代表は本会議での意見陳述で、昨年の市長選や市議選で陸自配備に対する民意は示されていないと主張し、市民の分断を防ぐた… 2019/01/23
視点 【視点】「圧力」報道に宮崎氏が反論 辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う県民投票をめぐり、実施に反対する政治家を批判する報道がエスカレートしている。問題視されているのは、自民党の宮崎政久衆院議員が昨年11月から12月にかけ、地方議員らが参加する複数回の勉強会で、県民投票の予算案を否決するよう求めたことだ。 これが一部で地方議員への「圧力ではないか」と報じられた。宮崎氏の法的解釈などを記したレジュメ(資料)は、県民投票つぶしの… 2019/01/18
視点 【視点】無神経な韓国大統領発言 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日、ソウルの大統領府で行った年頭記者会見で、元徴用工訴訟を巡る日本との軋轢について「日本の政治指導者が政治的な争点とし、問題を拡散させているのは賢明ではないと考える」「日本政府はもう少し謙虚な立場を持たねばならない」と批判した。日本との間に慰安婦問題、自衛隊機への火器管制レーダー照射問題なども抱える中での無神経な発言である。対日関係の現状に対する危機感もな… 2019/01/13
視点 【視点】全県実施へギリギリの攻防 辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う2月24日の県民投票は8日までに、市長が不参加を表明するか、態度を保留している市が宜野湾、沖縄、うるま、宮古島、石垣の5市に絞られた。5市の有権者数は、全県の有権者の約3割に相当する。玉城デニー知事は9日に宮古島市を訪れ、下地敏彦市長を直接説得する意向だ。今後、全市町村での県民投票実施に向け、ギリギリの攻防に入ると見られる。 7日に県民投票不参加を表明し… 2019/01/09
視点 【視点】予断許さぬ台湾、尖閣情勢 中国の習近平国家主席は2日、共産党独裁下で高度な自治を認める「一国二制度」による台湾との統一を呼び掛けた。台湾に平和的統一を呼び掛ける「台湾同胞に告げる書」発表から40周年を記念する北京での式典で演説した。統一に向け「武力放棄は約束しない」とも警告した。習氏の発言は民主主義体制の台湾に対する不当な圧力であり、看過できない。 台湾の蔡英文総統は①中国に民主的な政治体制が欠如している②人権状況が劣… 2019/01/07
視点 【視点】沖縄、波乱含みの1年か 今年も波乱含みになりそうな予感だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設や先島への陸上自衛隊配備など、日本の安全保障に直結する問題を軸に、沖縄の進路が問われる年になる。 玉城知事は4日に行われた県庁の仕事始め式で「多くの県民が反対の意思を示しているにもかかわらず、沖縄防衛局は違法な土砂投入を進めている」と述べ、普天間飛行場の辺野古移設阻止への決意を改めて示した。 今年前半の大きな焦点は2月24日に予定… 2019/01/05
視点 【視点】安全保障問題に揺れた沖縄 沖縄は今年も、米軍基地問題や自衛隊配備問題など、日本の安全保障をめぐる問題で揺れた。沖縄がいやおうなしに、日本の防衛を担う最前線の地理的位置に立たされていることを改めて認識する。そんな1年だった。 最も衝撃的だった出来事は、現職の知事だった翁長雄志氏の急逝だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で政府と激しく対立し、2期目を目指す知事選を直前にしていただけに、混乱は大きかった。しかし翁長氏の後継者… 2018/12/29
視点 【視点】振興予算 反目超え未来へ 政府は21日、2019年度の沖縄振興予算案を今年度と同額の3010億円と決定した。国が市町村を直接支援する「沖縄振興特定事業推進費」を設けたことが特色の一つだ。市町村の細かなニーズを支援できる新制度として活用に期待したい。 玉城デニー知事は米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をめぐって政府と真正面から対立しているが、安倍晋三首相が13年、当時の仲井真弘多知事に21年度まで年3千億台を確保すると約束… 2018/12/24
視点 【視点】普天間「政争の具」に終止符 米軍普天間飛行場の辺野古移設に向け、政府は14日から辺野古沿岸部で土砂投入を始めた。1996年に日米両政府が同飛行場返還で合意してから22年が経過。「世界で最も危険」と称される同飛行場の撤去に向け、政府の揺るがない決意を示したものと受け止められる。 辺野古移設は、国民の生命や財産の安全に責任を持つ政府が、県民の基地負担軽減のために進めている政策だ。基地反対派が主張するように、新たな基地建設でも… 2018/12/15
視点 【視点】県民投票に異論の声相次ぐ 来年2月24日の「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」に対し、宮古島市議会が12日、反対する意見書を可決した。県内では石垣市議会、宜野湾市議会に次いで3件目となる。13日には与那国町議会が、県民投票の予算を県内で初めて否決した。県議会で議決された県民投票に対し、市町村が続々と異論の声を上げている状況はどう見ても正常ではなく、この県民投票に大きな欠陥があることを示している。県は… 2018/12/14
視点 【視点】対話ではなく脅迫だ 辺野古県民投票 米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票条例の制定を請求した「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表ら5人が6日、石垣市議会の与党議員と面会した。同会は「対話」だとしているが、市議との意見交換では、石垣市が県民投票を実施しない場合「明確に違法」「県は是正命令や違法確認訴訟ができる」「損害賠償請求が認められる可能性が高い」などと恫喝的な言葉が相次いだ。これでは対話ではなく脅迫だ。 同会のメン… 2018/12/07
視点 【視点】陸自配備、脅威への備えは当然 石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺に24日、中国海警局の船4隻が入った。尖閣周辺での中国船の活動は常態化している。領海侵犯もほぼ10日に1回のペースだ。しかも、海警局は今や中国軍の傘下にある軍事組織である。尖閣周辺のこのような状況を、どれだけの国民が知っているだろうか。防衛省が石垣島への陸上自衛隊配備計画を進めるのは、脅威に対する備えとして当然だ。 沖縄を取り巻く国際環境は、めまぐるしく変化し… 2018/11/25