視点 【視点】「辺野古」だけが争点か 知事選は13日告示され、30日の投開票まで17日間の選挙戦が始まった。前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=と前自由党衆院議員の玉城デニー氏(58)による事実上の一騎打ちである。 最大の争点は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非と言われているが、果たしてそうか。佐喜真氏、玉城氏とも、出陣式、出発式での第一声で、この問題に触れた時間はごくわずかだった。 事情はある程… 2018/09/15
視点 【視点】安保問われる名護、石垣市議選 知事選に関心が集まっているが、9月9日の統一地方選も沖縄の今後を左右する重要な選挙だ。特に注目されているのが、米軍普天間飛行場の移設先である辺野古の米軍キャンプ・シュワブを抱える名護市の市議選と、陸上自衛隊配備計画が進む石垣市の市議選である。 2月の名護市長選では辺野古移設反対派の現職が敗れ、自民、公明、維新が支援した渡具知武豊氏が初当選した。しかし、議会では少数与党であるため、早くも混乱が起… 2018/08/23
視点 【視点】知事は「不屈」だったのか 米軍基地問題を全国に発信した功績は大きい。だが、普天間飛行場の辺野古移設を進める安倍政権と対峙し「不屈を貫いた」という評価は妥当なのか。翁長雄志知事の死という感情を揺さぶられる出来事の直後だからこそ、翁長県政の3年8カ月を冷静に振り返ることも大切だ。 辺野古移設阻止を公約に掲げる翁長知事の就任後、安倍政権は沖縄振興予算を減額し、上京した翁長知事と首相の面会を拒否するなど、翁長氏を「冷遇」したと… 2018/08/15
視点 【視点】辺野古「撤回」長引く混乱 米軍普天間飛行場の辺野古移設を阻止するため、翁長雄志知事が27日、辺野古沿岸の埋め立て承認撤回に向けた手続きに入ると表明した。政府と県の対立は再び激化する。辺野古移設問題をめぐる混乱を長引かせる無益な判断で、県民の厳しい批判は免れない。 翁長知事は2014年、辺野古移設反対を掲げて初当選し、翌年には仲井真弘多前知事による辺野古沿岸の埋め立て承認を取り消した。国と県は法廷闘争に入り、16年12月… 2018/07/28
視点 【視点】陸自配備受け入れ 当然の決断 淡々とやるべきことをやった。18日、石垣島への陸上自衛隊配備計画を事実上受け入れる最終判断を発表した中山義隆市長の記者会見は、そうした印象だった。「英断」などと持ち上げられては、市長も面はゆいのではないか。市民の生命や財産を守ることに責任を持つ市長の立場としては、陸自配備への協力は当然の決断だ。むしろ2015年11月に防衛省から配備の正式打診を受けて以来、16年12月の「配備手手続き開始の了承」… 2018/07/20
視点 【視点】自然の猛威に身構えよう 西日本の豪雨は被害が拡大を続けており、8日、死者数は80人以上に達した。政府は非常災害対策本部を設置し、安倍晋三首相は「甚大な被害が広域で生じ続けている。先手先手で被災者支援に当たってほしい」と指示した。 沖縄では5日に先島諸島で記録的豪雨となり、各地で道路冠水や床下浸水の被害が出たばかりだが、今度は非常に強い台風8号が10日にも襲来し、暴風域に巻き込まれる恐れがある。自然の猛威には常に身構え… 2018/07/09
視点 【視点】変わる県知事選の構図 11月18日投開票の県知事選は、自民党の選考委員会が宜野湾市長の佐喜真淳氏を軸に選考作業を進める一方、沖縄観光コンベンションビューロー元会長の安里繁信氏も出馬の意向を示し、候補者擁立に向けた動きが慌ただしくなってきた。 「オール沖縄」を名乗る県政与党は現職、翁長雄志氏の再選出馬を前提に知事選への準備を進めている。ただ、翁長氏は膵臓がんと闘病中であり、再選出馬が可能な健康状態なのか不安視する声も… 2018/07/05
視点 【視点】どうなる米国のアジア関与 米朝首脳会談は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「朝鮮半島の非核化」、米国のトランプ大統領が北朝鮮の「安全の保証」をそれぞれ約束する共同声明に署名して終了した。米国、北朝鮮双方とも指導者が外交的な得点を内外にアピールした形だが、これで東アジアに「平和が到来した」と欣喜雀躍するのは早計だ。北朝鮮に欺瞞の意図があれば、平和どころか、日本を取り巻く国際環境は一層悪化する懸念すらある。今後とも、北朝鮮の… 2018/06/13
視点 【視点】変幻自在な米政権外交 6月12日に米朝首脳会談を控えたトランプ米大統領は5月24日、北朝鮮側の敵対的な姿勢を理由に中止を発表し、関係各国に衝撃を与えた。しかし北朝鮮側が態度を軟化させたことを受け、25日には予定通り会談を行う可能性に言及した。大企業トップとして数々の商談を成立させてきた経験を生かした変幻自在な外交に、世界が翻弄されている。 「私の取り引きのやり方は単純明快だ。狙いを高く定め、押して押して押しまくる」… 2018/05/28
視点 【視点】反対派は市民の共感得られぬ 防衛省が進める石垣島への陸上自衛隊配備計画で、石垣市は16日、配備予定地周辺の開南・於茂登地区を対象に初の意見交換会を開いた。反対派住民らは意見交換会をボイコットしただけでなく、会場となった学校の周辺で抗議行動を展開した。対話を拒否する反対派の姿勢は、到底、市民の共感を得られまい。 参加者によると、反対派が会場周辺で抗議集会を開いたため、一般の住民が会場に入りくい雰囲気になってしまったという。… 2018/05/18
視点 【視点】期待される憲法改正論議 自民党の改憲草案がまとまり、改憲がいよいよ現実味を帯びつつある中で迎える5月2日の憲法記念日である。米軍基地問題や尖閣諸島問題を抱え、日本の安全保障の「縮図」である沖縄から、改憲の潮流を巻き起こすことには大きな意義がある。 改憲の焦点は9条だ。3月の党大会で提示された自民党の改憲草案では、戦争放棄などを定めた9条1項と2項を維持しながら、9条の2を追加して、自衛隊を明記した。9条の2は、具体的… 2018/05/03
視点 【視点】南北融和「平和到来」は早計 「南北融和」をアピールする華やかなパフォーマンスに幻惑され、平和到来を確信するのは早計だ。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は韓国の文在寅大統領は27日、軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)で会談。朝鮮半島の非核化を打ち出した。しかし大事なのは言葉ではなく行動だ。日本は今後とも国際社会と連携し、北朝鮮が約束を守るかどうか、厳しく追及する必要がある。 南北首脳は手をつなぎながら軍事境界線を越えた… 2018/04/28
視点 【視点】知事選、4年前とは一変 今秋の知事選に向け、自民党県連や経済界関係者などが3月末、候補者選考委員会の初会合を開き、5月までに候補者を決定する方針を決めた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力からは翁長雄志知事が再選を狙うと見られており、知事選は保守勢力と「オール沖縄」勢力が激突する構図になる可能性が高い。いよいよ知事選に向けた動きが始動する。 ただ、保守勢力の候補者選びがすんなりと進むかどう… 2018/04/07
視点 【視点】「沖縄本島版」2年目に突入 八重山日報社が昨年4月、「沖縄本島版」の発刊に踏み切ってからきょう1日で1年を迎える。沖縄の言論に新たな風を吹き込みたいと意気込み、社員一同が無我夢中で努力するうち、あっという間に時間が過ぎたという感覚である。ただ今後の道のりは極めて厳しい。 「沖縄本島版」は、県紙2紙を中心とした既存のメディアに加え、より多様な言論を発信する媒体が必要だとする読者の熱い「ラブコール」に応じて登場した。 イン… 2018/04/01
視点 【視点】陸自配備は容認を明確に 石垣島への陸上自衛隊配備計画などが問われた石垣市長選では、現職、中山義隆氏が3選を果たした。同じ保守系の砂川利勝氏が出馬し、保守分裂選挙となったことで当初「中山氏の当選は厳しいのでは」と見られていたが、ふたを開けてみれば予想外の圧勝で、砂川氏、革新系の宮良操氏を寄せつけなかった。強固な自公選挙協力体制と、中山氏の個人的な人気が勝敗を大きく左右したと見られる。 中山氏は初当選時から若者を中心とし… 2018/03/12
視点 【視点】名護市長選、夢語った渡具知氏 名護市長選で、自民、公明が推薦する新人の渡具知武豊氏が現職、稲嶺進氏を破って初当選を果たした。渡具知氏は8日の市長就任式で「『輝く名護市』の実現に向けて共に頑張っていこう」と職員に呼び掛け、新たなまちづくりに意欲を示した。辺野古移設をめぐる市民の「分断」克服の決意も語っており、反基地のイデオロギー闘争に終始した前市政とは一線を画す考えだ。新市長の手腕に期待したい。 渡具知氏の勝因は、有権者に夢… 2018/02/09
視点 【視点】深刻化する一方の人手不足 人手不足が叫ばれて久しい。数字の上でも裏付けるように、沖縄の新規求人倍率は10月、復帰後初めて2倍を超え、2・06倍となった。有効求人倍率も全国平均よりは低いものの、2016年10月以降、毎月1倍以上をキープする状況が続いている。 日本商工会議所は「この1年の中小企業の悩みは人手不足だった」として、今年の漢字に「人」を選んだ。少数精鋭の人材で業績向上を図らなくてはならない中小企業にとって、人手… 2017/12/23
視点 【視点】日米共同使用と負担軽減 沖縄の基地負担軽減に向けた具体的な一歩となるかも知れない。在沖米軍の海兵隊撤退後、防衛省が来年3月に創設する水陸機動団(日本版海兵隊)を沖縄に配備する可能性について、在沖縄米軍トップを兼ねるニコルソン在日米海兵隊司令官(中将)が16日、「理解できる」との認識を示した。 小野寺五典防衛相は17日、「まだ何も決まっていない」と述べたが、ニコルソン氏は私案としながら、キャンプ・ハンセンかシュワブへの… 2017/11/18
視点 【視点】支持される野党の「条件」 希望の党の小池百合子代表(東京都知事)が辞任の意向を表明した。自公に代わる政権交代の受け皿を目指して9月に党代表に就任したが、わずか2カ月足らずでの退陣となる。一時は国民的な期待を一身に集めた小池氏が国政から距離を置く姿勢を示したことは、希望の党の党勢にも影響を与えかねず、野党の混迷に一層拍車が掛かる可能性がある。 巨大与党の自公に対し、野党は小勢力が乱立する状況で、しかも野党間に政策の大きな… 2017/11/16
視点 【視点】中国、太平洋支配の野心あらわ 中国の習近平国家主席は9日、トランプ米大統領との首脳会談後、共同記者会見で「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と発言した。 中国軍関係者は、かつて米国の太平洋軍総司令官に対し「ハワイから東は米国、西は中国で分割管理しよう」と持ちかけていた。今回の発言もこの趣旨に沿ったものであることは明白だ。 言うまでもなく太平洋の西側には尖閣諸島を含む八重山諸島があり、沖縄があり、日本本土が… 2017/11/11