視点 【視点】中国の野心、沖縄の未来に影 石垣市の尖閣諸島周辺海域で、領海侵入した中国公船「海警」が与那国町漁協所属の漁船に接近、追尾する事態が発生した。海上保安庁の巡視船が警護に当たり、漁船の安全を確保したが、日本の主権が公然と侵害され、日本人の生命や安全が危機にさらされた重大な問題だ。日本政府や沖縄県には毅然とした対応が求められる。 与那国町議会は11日、尖閣諸島での警戒監視体制強化と安全操業を求める意見書を全会一致で可決した。町… 2020/05/12
視点 【視点】〝出口〟の先にも変容した社会 全国的に新型コロナウイルスの感染拡大は続いているが、地方によっては感染者増加のペースが衰えているところもあり、営業や外出の自粛解除に向けた「出口戦略」の議論が活発化し始めた。沖縄では5月に入って新たな感染者が確認されておらず、〝出口〟への模索が始まっている。 4日に開かれた県の専門家会議では「活動再開へのロードマップ」案が提示され、石垣市の中山義隆市長は6日「新型コロナショックからの回復プラン… 2020/05/11
視点 【視点】「コロナ後」の世界と沖縄 新型コロナウイルスの世界的な拡大が続く中、米国は、発生国である中国が初期の封じ込めに失敗し、情報の隠蔽でウイルスを拡散させる結果を招いたとして批判を強めている。 しかし世界的には「中国包囲網」構築の動きは広がっていない。報道によると、25日の主要7カ国(G7)外相会議は、米国が新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶことにこだわったため、中国に配慮する各国の反発を招き、共同声明の発表が見送ら… 2020/04/30
視点 【視点】感染4人目、気の緩みは許されない 石垣市で新型コロナウイルスの感染者が最後に確認されて10日以上が経過し、新たな感染者が確認されないまま、特設された相談外来は終了。県は25日ぶりに「県内の感染者ゼロ」を発表―。疫病との戦いで久しぶりに明るい兆しが見え始め、市民に安心感が漂い始めた矢先、市で4人目の感染者が確認された。一瞬の気の緩みも許されない。そんな厳しい現実を、改めて思い知らされた。 ゴールデンウィーク(GW)が29日から本… 2020/04/29
視点 【視点】緊急宣言下、弱者に救いの手を 新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限で、女性がDV(配偶者間などの暴力)被害にさらされるケースが増加している。緊急事態宣言下の日本で、隅に追いやられがちな弱い立場の人たちにどう手を差し伸べるかが大きな課題に浮上している。 国連報告書や各国報道によると、フランスでは3月17日に厳しい外出制限を適用して以降、DVの通報件数が30%増加。電話などでの相談件数もキプロスで30%、シンガポールでは… 2020/04/28
視点 【視点】きょうからGW「ステイホーム」を 全国的に新型コロナウイルスの勢いが衰えない。国の専門家会議は22日、都市部と地方間の人の移動を通じ、感染拡大が続く地域以外でも流行が発生する事例が後を絶たないと指摘した。 25日からゴールデンウィーク(GW)が始まる。5月6日までの期間中、大都市圏から沖縄への人の流れが再び増加する可能性が懸念されている。 航空各社が発表している期間中の予約状況を見ると、例年より予約率は大きく落ち込んでいると… 2020/04/25
視点 【視点】新たな法廷闘争に強まる懸念 防衛省は、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古沿岸部の軟弱地盤改良工事のため、県に設計変更を申請した。玉城デニー知事は「県民に十分な説明もないまま、埋め立て工事の手続きを一方的に進めることは到底納得できない」と述べ、不承認の方針を示唆した。国と県が新たな法廷闘争に突入する懸念が強まっている。 玉城知事は辺野古移設反対を公約の一丁目一番地に位置付けて知事に当選した。どのような理由であれ、国… 2020/04/24
視点 【視点】民意汲んだ「1人10万円」給付 政府は20日の閣議で、新型コロナウイルスの緊急経済対策として、全国民への10万円給付などを実施するため、総額25兆6914億円の2020年度補正予算案を決定した。小規模の市町村では、来月から給付が始まる。 当初は減収世帯に限って30万円を給付する方針だったが、公明党の山口那津男代表が安倍晋三首相に直談判し、撤回させた。山口代表は自公連立の解消まで持ち出し、強硬に1人10万円の給付を迫ったという… 2020/04/22
視点 【視点】医療崩壊防ぐのが最優先 とどまるところを知らない新型コロナウイルスの感染拡大で、県は20日、独自の緊急事態宣言を発した。感染は沖縄本島から離島の八重山へ波及し、感染者は飲食店やスーパー、コンビニの従業員から医療従事者まで、あらゆるレベルに及んでいる。県民が強い危機意識を共有し、一丸となって感染拡大防止に取り組まないと、沖縄も東京や大阪など、ウイルスが蔓延(まんえん)している大都市圏と同じ状況に陥ってしまう。 感染者は… 2020/04/21
視点 【視点】リーダーの発信力 生かすのは今 沖縄の新型コロナウイルス感染者数が17日、百人を超えた。政府の緊急事態宣言が全国に拡大される中、沖縄もウイルスが蔓延(まんえん)する大都市圏に劣らず深刻な状況となりつつある。手をこまねいていると、沖縄本島そのものが、八重山など離島にとってのクラスター(感染集団)になってしまうだろう。 沖縄での感染拡大に歯止めが掛からない状況を見るにつけ痛感するのは、玉城デニー知事が発信力を十分に生かせていない… 2020/04/18
視点 【視点】感染初確認 拡大抑止に全力を 東京などの大都市圏や沖縄本島で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中「時間の問題」と言われていた八重山での感染者確認が現実のものになった。県は13日、石垣市の20代の飲食業男性と60代女性がPCR検査で陽性だったと発表した。 2人とも感染経路は特定されておらず、県は市中感染の可能性を指摘している。その場合、発症していない水面下の感染者が相当数いる可能性も覚悟する必要があり、今後とも八重山で感染が… 2020/04/15
視点 【視点】緊急事態宣言視野に準備を 県内で新型コロナウイルスの急拡大が続いている。2月下旬の時点で3人だった感染者数は、2カ月も経たないうちに50人を超えた。このままだと医療崩壊などの深刻な事態が懸念され、玉城デニー知事は、独自の緊急事態宣言を出すことも視野に、早急に準備を進めるべきだ。 知事は10日の定例記者会見で、独自の緊急事態宣言発表について「必要な状況が来るかどうか注視しながら、さまざまな関係機関との協議を重ねたい」と慎… 2020/04/13
視点 【視点】日中友好、八重山の不安除去が先 中国政府は8日、新型コロナウイルスが発生した湖北省武漢市の封鎖を解除した。当初、ウイルスの発生国として厳しい視線を浴びていた中国だが、ここへ来てウイルスの抑え込みを大々的にアピール。友好国にマスクを贈ったり、医療チームを派遣する「マスク外交」を展開し、逆に国際的存在感を高めている。中国共産党政権の強靭さ、したたかさを改めて見せつけられる思いだ。 共産党機関紙、人民日報(電子版)は同日の評論で「… 2020/04/10
視点 【視点】緊急事態宣言 沖縄も厳戒を 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が緊急事態宣言を発令した。政府や自治体はこれを受け、早期終息に向けた実効ある措置を打ち出さなくてはならない。国民も不要不急の外出自粛など、いっそうの自覚を持って行動することが求められている。 緊急事態宣言の対象は感染者が特に多い東京や大阪など7都府県だが、対象地域に入っていない沖縄も、ここに来て感染者が急増。感染者数は7日、前日の6人から12人に… 2020/04/08
視点 【視点】非常時こそきめ細やかな支援を 政府の緊急事態宣言が7日に発令される見通しになった。沖縄本島でも感染拡大が止まらない。 大都市圏を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が加速する中、本島や離島の八重山に至るまで、大人数が集まるイベントは軒並み姿を消している。まさに〝厳戒態勢〟の様相だ。 そのあおりを受け、公演などの開催で生計を立てている多くのアーティストが、収入源を失う危機に直面している。特に個人で仕事を受注しているフリーラン… 2020/04/07
視点 【視点】新型コロナ、沖縄経済の変調鮮明に 新型コロナウイルスの影響で、沖縄経済の変調が鮮明になってきた。 沖縄は観光業が基幹産業であり、入域観光客の減少は各種産業を波及的に直撃する。 現状は海外路線は空路、海路とも完全停止、国内路線も減便が相次でおり、経済へのダメージは計り知れない。各種調査の数字が、各企業が現状をどのように受け止めているかを示している。 日本銀行那覇支店が1日発表した1~3月期の県内企業短期経済観測(短観)では、… 2020/04/03
視点 【視点】早期終息だけが破綻防ぐ道 新型コロナウイルスの感染が全国で拡大する中、石垣市の中山義隆市長が、体調不良の症状がある人は来島を自粛するよう呼び掛けた。石垣市では現時点で感染者は出ていないが、大都市圏から安全安心な観光地を求めて来島する観光客が増えており、かえって市民の不安が高まっているためだ。 市議会与党の「未来」会派は市長に対し、一日当たりの入域者数を制限し、八重山市町会で航空会社に要請することも求めた。石垣市は観光を… 2020/04/02
視点 【視点】感染拡大、緊急事態宣言も現実味 新型コロナウイルスの感染が大都市を中心に拡大し、沖縄本島でもいよいよ流行のきざしが見え始めてきた。こうなると離島の宮古、八重山も安全圏ではなく、いつ感染者が出てもおかしくないという覚悟を持って対処すべき局面が続いている。 全国の新たな感染者数は連日百人を超え、首都圏はオーバーシュート(感染爆発)といわれる状況に近づきつつある。 30日には、人気タレントの志村けんさんが新型コロナウイルスによる… 2020/03/31
視点 【視点】辺野古、裁判闘争で続く県敗訴 普天間飛行場の辺野古移設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法として県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は県の上告を棄却し、県の敗訴が確定した。 辺野古移設に関する訴訟では、これまでも県の敗訴が続いており、今回の判決もその延長線上にある。県は果てしない法廷闘争に見切りをつけ、移設に協力する姿勢に転じるべき時ではないか。 玉城デニー知事は「民主主義の土台となる地… 2020/03/28
視点 【視点】大都市の感染拡大 地方に波及も ここ数日で県内での新型コロナウイルスの感染確認が相次ぎ、感染者数は成田空港での検疫で確認された女性を含め7人になった。東京、大阪をはじめ大都市圏での流行が顕著になり始めたことを受け、感染源が県外と見られる感染者が増加傾向にある。 県内では2月20日以降、約1カ月感染者が確認されなかったため、一種の油断のような雰囲気も生まれつつあったが、状況は一転したと言っていい。玉城デニー知事は26日、県民に… 2020/03/27