視点 【視点】報道への「圧力」と自浄作用 権力の監視機能を持つと言われる報道だが、それだけに政治家とは常に緊張関係になりやすい。 立憲民主党の安住淳国対委員長らが4日、衆院予算委員会の質疑内容などを伝えた同日付の新聞各紙のコピーに「すばらしい!」「くず0点」「ギリギリセーフ」といった論評を書き添え、国会内の同党などの衆院会派控室のドアに張り出した。「論外」と書かれて各紙より下に掲示された新聞もあった。 安倍晋三首相を批判する記事には… 2020/02/09
視点 【視点】高まる感染リスクに備えを 横浜港内に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、乗員乗客約3700人のうち、5日までに10人の新型コロナウイルス感染が確認された。県内各メディアの報道によると、同船は1日、那覇港に寄港し、約9時間半停泊。乗客2600人余が下船してバスやタクシーで市内を観光したという。このうち22人は再乗船しなかった。 乗客に感染者が含まれ、那覇市内でウイルスを拡散させた可能性も否定できない。沖… 2020/02/06
視点 【視点】新型肺炎、運営問われる国際機関 世界保健機関(WHО)や国連の運営の在り方が改めて問われている。中国を中心にした新型コロナウイルスによる肺炎の流行に対し、感染拡大の防止より政治的な思惑を優先させ、中国政府に忖度(そんたく)するような行動が目立つためだ。 WHОのデトロス事務局長は3日、米国が中国全土への渡航中止勧告を出したことなどについて「(中国への)渡航や貿易を不必要に妨げる措置は必要ない」と述べた。 新型肺炎の感染拡大… 2020/02/05
視点 【視点】前哨戦始まった県議選 玉城デニー知事の「中間審判」とも言われる県議選は5月29日告示、6月7日投開票される。出馬表明の記者会見を開く予定候補者も出始めるなど、前哨戦は既に始まった。 最大の争点は玉城県政に対する評価だ。まず、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対を貫く玉城知事の姿勢をどう判断するか。 各種選挙や県民投票で県民の反対意思は示されているが、知事が現在の路線を続ければ、沖縄と政府の関係は破綻に瀕する。普天間… 2020/02/04
視点 【視点】新型肺炎、戦略転換迫られる観光 中国を中心とした新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、沖縄でも観光産業に影響が出始めている。玉城デニー知事は1月31日の定例記者会見で「観光危機対応に必要な体制整備を図りたい」「観光客や事業者の健康と安全を守ることを第一に考えたい」と述べたが、具体的な対応には言及しなかった。 沖縄には2019年、中国本土から年間約75万人が訪れており、外国客としては、国別で台湾(約94万人)に次いで2番目… 2020/02/02
視点 【視点】新型肺炎、情報収集し予防徹底を 中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染がとどまるところを知らない。感染者は6000人、死者は130人を超えた。春節(旧正月)に伴う大型連休には多数の中国人観光客が沖縄本島を訪れており、潜伏期間を考えると、今後、県内でいつ患者が発生してもおかしくない状況だ。県民には正しい情報収集に努め、予防対策を徹底する努力が求められている。 県は、発生地である中国武漢市への渡航歴がある人や、渡航歴がある人と… 2020/01/30
視点 【視点】徳勝龍初V「古き良き時代」の大相撲 優勝インタビューを見て、涙腺がゆるんだ視聴者も多かったかも知れない。初優勝を決めた瞬間、感極まって顔をくしゃくしゃにした姿には、思わずもらい泣きしてしまいそうな実感がこもっていた。 大相撲初場所で、徳勝龍が幕尻優勝を飾った。番付最下位の力士が果たした20年ぶりの快挙を「下剋上」と報じたメディアもあった。33歳5カ月の初優勝は歴代3番目の遅さ、日本出身力士としては最年長という。 徳勝龍の初優勝… 2020/01/29
視点 【視点】観光客1千万人 足元に迫るリスク 県が発表した2019年の入域観光客数は1016万3900人で前年を31万6200人(3.2%)上回って過去最高になり、暦年で初めて一千万人を突破した。観光を産業の柱に据え、順調に成長する県経済の姿が見えるような数字だ。しかし足元では、世界的な新型肺炎の感染拡大などの危機も迫っている。観光関係者にとどまらず、県民が一様にリスク管理の意識を高めるべき時だ。 入域観光客の内訳を見ると、国内客は723… 2020/01/28
視点 【視点】新型肺炎 沖縄も感染リスク高まる 中国の湖北省武漢市で見つかった新型コロナウイルスの肺炎は感染が急拡大している。春節(旧正月)に伴う大型連休(24~30日)中には多くの中国人が旅行などで移動するため、中国人観光客が多い沖縄も感染リスクが高まる。水際の侵入防止対策はもちろんだが、患者発生を見越した対応策の確認など、危機管理のレベルを通常より上げて警戒する必要がある。 新型肺炎の感染者数は600人に迫り、死者数も22日までに17人… 2020/01/24
視点 【視点】ヘリポート問題 県の存在感薄く 竹富町などの離島から石垣島への急患搬送で、ヘリポートの位置をどうするかが議論になっている。 急患搬送は第11管区石垣海上保安部石垣航空基地が実施している。従来は旧石垣空港跡地にある真栄里ヘリポートが使用され、ヘリポートと県立八重山病院も目と鼻の先にあった。しかし、周辺で石垣市の新庁舎建設工事が始まり、昨年12月6日からヘリポートは運用停止。ヘリの離発着場は新石垣空港に変更された。 病院までの… 2020/01/23
視点 【視点】首相施政方針 沖縄政策過渡期か 例年に比べ、沖縄への言及が素っ気ない印象はぬぐえない。安倍晋三首相が通常国会初日の20日、施政方針演説をした。 沖縄の米軍基地負担軽減には触れたが、具体的には2020年代前半の海兵隊グアム移転のみにとどまり、焦点である米軍普天間飛行場の辺野古移設には言及しなかった。必然的に、辺野古とセットになっている米軍普天間飛行場の全面返還という文言も消えた。 普天間返還を国政の重要課題と位置づけ、政府を… 2020/01/22
視点 【視点】安保60年 意義大きいが課題も 現行の日米安全保障条約が署名60年を迎えた。日本と東アジアの安定に日米同盟が果たしてきた役割は大きく、日米安保が戦後日本の平和と繁栄の礎となってきたことは、動かせない事実だ。 一方で、国土面積の約0・6%の沖縄に在日米軍専用施設の約70%が集中する問題が重くのしかかっている。沖縄の米軍基地負担軽減は喫緊の政治課題だ。 しかし沖縄を取り巻く国際情勢は、むしろ抑止力の強化を必要とする方向へ動いて… 2020/01/19
視点 【視点】閣僚の育休 別の議論が必要 小泉進次郎環境相は15日、省内で開いた会合で「育児休業」を取得する意向を表明した。閣僚の育休所得は初めてだという。月内に予定されている第1子誕生後の3カ月間に合計2週間、育児のための時間を確保する。 少子化の進行を食い止めるためにも、小泉氏の決断が男性の育休取得を推進する呼び水になってほしい。ただ、閣僚の育休取得が果たして適切かという議論は避けられないだろう。 小泉氏は、育休を「どのように取… 2020/01/17
視点 【視点】豚コレラ 侵入防止対策徹底を うるま市で豚コレラ(CSF)の発生が確認されて15日で1週間が経過した。感染は隣の沖縄市に拡大し、15日にはうるま市で4例目となる豚コレラ感染が確認されるなど、沖縄本島ではいまだ終息のきざしが見えない。離島の八重山では感染は確認されていないが、空港や港湾での水際防止対策や、各養豚農家の衛生管理を徹底させ、侵入防止を図る必要がある。 豚コレラは豚やイノシシに感染する家畜伝染病で、発熱や食欲減退な… 2020/01/16
視点 【視点】蔡氏再選 交流強化の機会に 台湾総統選が11日投開票され、中国共産党に批判的な民進党の蔡英文総統が史上最多得票で再選された。 台湾は八重山諸島に隣接し、沖縄にとって一衣帯水の間柄だ。「民主主義の砦」が守られ、中国の影響力拡大が阻止されたことになり、沖縄にとっても安堵すべき結果と言える。 蔡氏はツイッターに日本語で「国民の声に謙虚に向き合い、不動の心で困難を乗り越え、そして、同様に台日の絆を深めていきたいです!」と書き込… 2020/01/14
視点 【視点】自衛隊中東派遣 当然の判断 緊迫する中東で日本船舶の安全を確保する活動の一環として、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が11日、中東海域での情報収集活動に当たるため、那覇航空基地を出発した。護衛艦「たかなみ」も2月2日に出航する。 情報収集活動の期間は20日から12月26日まで。P3C2機と護衛艦はオマーン湾、アラビア海北部、アデン湾(バベルマンデブ海峡東側)の3海域の公海で活動する。 日本は中東に原油の供給を依存しており、… 2020/01/12
視点 【視点】下地氏の維新除名と保守中道の危機 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、贈賄側とされる中国企業から100万円を受け取っていた下地幹郎衆院議員=九州比例=が維新から除名処分と議員辞職勧告を受けた。 下地氏は沖縄で、「オール沖縄」を名乗る革新勢力に対し、自民、公明、維新の保守中道勢力を結集させたキーマンだ。 今年は6月の県議選のほか衆院解散の可能性もささやかれており「オール沖縄」対保守中道勢力の対決が最大の… 2020/01/10
視点 【視点】米・イランの緊張高まる 米国とイランの関係が一気に緊張の度を高めている。イランは8日、米軍によるイラン精鋭部隊のソレイマニ司令官殺害に報復し、イラクにある米空軍基地など2拠点を弾道ミサイルで攻撃した。 安倍晋三首相は「さらなる事態の悪化を避けるため、あらゆる外交努力を重ねたい」と官邸で記者団に述べた。 米国は、ソレイマニ司令官が米側などへの大規模な攻撃を計画していたと主張している。 日本政府は、司令官殺害に関する… 2020/01/09
視点 【視点】胸張れる死亡事故ゼロ最長 八重山署管内の交通死亡事故ゼロが昨年12月、本部署が持っていた県内最長記録の1494日を更新した。記録はその後、1500日を超え、現在も伸び続けている。人口約5万人の地域で、実に4年超に及ぶ記録だ。八重山住民が全国に胸を張れる記録だし、今後も住民一人ひとりが強い意識を持って日数を積み重ねてほしい。 国境の島である石垣島でも、年々交通の混雑が深刻化している。「一人一台」とも言うべきマイカー時代の… 2020/01/07
視点 【視点】尖閣問題、日本の試金石に 今年も年明け早々、尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入した。政府が日中関係について「改善基調にある」と強調するが、中国は、尖閣諸島をうかがう姿勢を全く改めていない。それどころか、中国が「百年の大計」として尖閣奪取の計画を進めてきたらしいことも明らかになった。この状況では中国共産党政権が続く限り、八重山住民は今後50年、100年と、軍事大国の脅威に直面する現実を覚悟しなくてはならないだろう。 共同通… 2020/01/06