視点 【視点】いたちごっこの待機児童問題 待機児童解消に向け、各自治体は認可保育施設の増設や定員拡大などに取り組んでいるが、いたちごっこの状況が続いている。県が発表した今年4月1日現在の待機児童数は1702人で、前年度より168人減少したものの、依然「ゼロ」にはほど遠い。 県内の自治体で待機児童数が百人を超えているのは、那覇市250人、南風原町208人、沖縄市198人、南城市145人。先島は石垣市55人、宮古島市12人となっており、県… 2019/06/21
視点 【視点】いつまで対立を続けるのか 米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡り、玉城デニー知事は18日開会した県議会6月定例会に、国を提訴するための議案と弁護士費用約689万円の補正予算案を上程した。翁長雄志前知事時代から続く県と国の訴訟合戦は、もはや見慣れた光景となってしまった。 国地方係争処理委員会は、辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回を取り消した国の採決を違法とする県の審査申し出を却下すると決めた。県はこれを不服として、県議会の議決を… 2019/06/20
視点 【視点】沖縄と香港 全く環境が違う 香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する住民運動は、日本でも連日大きく報道されている。香港での街頭デモには強く共感するが、沖縄の基地反対派が「条例改正を求める中国政府の強権的な姿勢は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を強行する日本政府と同じだ」と主張しており、違和感を禁じ得ない。沖縄の基地反対運動と香港の民主化運動は全く背景が異なるからだ。 民主主義と独裁政治の… 2019/06/19
視点 【視点】「団塊ジュニア」の奮起求める 政府は11日の経済財政諮問会議に提示した経済財政運営の指針「骨太方針」案で、バブル崩壊後の厳しい雇用環境の時期に就職活動を行った「就職氷河期世代」の支援プログラムを盛り込んだ。就職氷河期世代のうち困難な状況にある約100万人向けの支援プログラムを組み、この世代の正規雇用者を3年間で30万人増やす内容だ。現在40代半ばから30代半ばを迎えたこの世代の奮起に、今後の日本が懸かっていると言っても過言で… 2019/06/16
視点 【視点】存在感発揮する日本外交 日本外交が存在感を発揮している。米国とイランの間で一触即発の危機が高まり、全世界が中東情勢を注視する中、安倍晋三首相がイランを訪問し、ロウハニ大統領、ハメネイ師と相次いで会談、緊張緩和を働き掛けた。首相とトランプ米政権との強い信頼関係が背景にあり、日米同盟の堅持に心を砕いてきた「安倍外交」ならではのダイナミックな動きだ。 ロウハニ大統領は首相との共同記者会見で「私たちから戦争を始めることは絶対… 2019/06/14
視点 【視点】「人生100年時代」の覚悟を 金融庁の金融審議会は3日、長寿化による「人生100年時代」に関する報告書で、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要になると試算した。これに対し批判が相次ぎ、政府が事実上、報告書の撤回を求める事態となっている。 沖縄県民の1人当たり年間県民所得は約230万円で、2千万円は年収の10倍を意味する。一般的な県民の貯蓄額として現実的な数字ではない。しかし批判はと… 2019/06/13
視点 【視点】「自分一人が幸せ」でいいのか 兄弟姉妹の子どもたちが両親と楽しく食卓を囲む団らんの風景も、もはや日本では見られなくなってしまうのかも知れない。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す2018年の合計特出生率は1・42となり、3年連続で減少した。今や「子どもは一人だけ」という家庭が標準になってしまい、日本は本格的な人口減少社会に直面する。実効性ある少子化対策とともに、人口が減っても活力を維持できる仕組みの構築が急務だ。 厚… 2019/06/11
視点 【視点】「最長」視野の政権と沖縄 安倍晋三首相は6日、第1次内閣からの通算在職日数が2720日となり、初代首相を務めた伊藤博文と並んで歴代3位となった。このまま行けば8月には戦後最長の佐藤栄作、11月19日には戦前を通じて最長の桂太郎と並び、憲政史上最長の政権が視野に入る。抜群の安定感を誇る政権に対し、沖縄の最近の県政は2代にわたり、泥沼のような闘争を繰り広げてきた。本来なら長期安定政権の今こそ、基地負担軽減と振興を最大限に前進… 2019/06/09
視点 【視点】社会との絆が「生きがい」に 中高年のひきこもり問題が注目を集めている。神奈川県川崎市の殺傷事件を起こした51歳の男が「ひきこもり」の状態にあったと報道され、この事件の影響で76歳の元農水事務次官が、ひきこもり状態にあった44歳の長男を刺殺した。ひきこもりと犯罪を安易に関連づけることは厳に控えなければならない。ただ、こうした悲惨な事件の真相解明を進める上で、ひきこもり問題を改めて見直すことも必要であるように思われる。 内閣… 2019/06/06
視点 【視点】中国の暴力体質 尖閣で歴然と 中国共産党・政府の暴力的な体質を、世界にまざまざと示した事件だった。 中国当局が学生らの民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から4日で30年。世界第2位の経済力をつけ、アジアの「超大国」と化した現在でも、中国政府は事件を正当化し、国内では厳しい情報統制を敷く。その体質は対外政策にも如実に表れ、南シナ海や尖閣諸島周辺では近隣諸国との摩擦が拡大している。 沖縄県民は、中国の歴然たる暴力… 2019/06/05
視点 【視点】鎮魂の季節迎える沖縄 沖縄にとって鎮魂の季節である6月を迎えた。沖縄戦終結の日とされる23日の「慰霊の日」には、県主催の全戦没者追悼式が開かれる。過酷な体験を継承し、沖縄から恒久平和を発信する機会にしたい。 沖縄戦の戦没者は米軍1万2520人、沖縄出身者を含む日本軍約9万4000人、住民9万4000人とされる。その沖縄戦の開始は、学校での平和学習でも、新聞やテレビでも、1945年(昭和20年)3月26日、米軍の慶良… 2019/06/04
視点 【視点】本末転倒な知事の尖閣発言 玉城デニー知事は5月31日の記者会見で、尖閣諸島海域に出漁した仲間均石垣市議の漁船が中国公船に追尾されたことの見解を問われ「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と述べた。尖閣諸島は日本の領土、その周辺海域は日本の領海であり、石垣市民が漁業をすることには何の問題もない。しかし知事の発言は、あたかも尖閣が中国の管理下にあって、出漁した市議に非があるかのよ… 2019/06/02
視点 【視点】沖縄でも吹き始めた「解散風」 夏の参院選に向け、立憲民主、国民民主、共産、社民など野党5党派は29日、32の改選1人区の候補者一本化作業をほぼ終えた。衆参同日選の可能性が取り沙汰される中、与野党とも衆院選をにらんだ選挙態勢づくりを進めている。 野党5会派は同じ29日、安全保障関連法廃止を訴えるグループ「市民連合」と共通政策をまとめた。消費増税中止、憲法9条改正反対などに加え、米軍普天間飛行場の辺野古移設中止も盛り込んだ。参… 2019/05/31
視点 【視点】パフォーマンスの成果は タレント出身らしく、玉城デニー知事のパフォーマンス能力は高い。人懐っこく、愛されるキャラクターは高い県民人気の源だ。だが仕事の成果はどうか。米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止に「頑張っています」というアピールだけで4年間の任期が過ぎてしまわないか、と心配になる。 玉城知事は27日、ハガティ駐日米国大使、シュナイダー在日米軍司令官、スミス在沖縄米軍四軍調整官、ケプキー在沖縄米総領事の4人に書簡を送… 2019/05/30
視点 【視点】「働き方改革」成長のチャンスに 労働と余暇を両立させる「ワークライフバランス」実現が、生きがいのある働き方につながる。働き方改革関連法が4月1日から順次施行された。企業は時間外労働の上限規制などに対応する必要に迫られている。少ない人数で効率的に成果を上げる。労働生産性の向上に向けた取り組みが急務だ。 「働き方改革」は、少子高齢化や人口減少で厳しさが増す労働環境の改善を目的に、安倍政権が進めている施策だ。時間外労働の上限規制の… 2019/05/29
視点 【視点】日米同盟に依存する平和と繁栄 安倍晋三首相とのゴルフ、天皇陛下の晩さん会招待、大相撲優勝力士への大統領杯授与、高級居酒屋での接待―。テレビ映えがするイベントが次々と繰り出されている。国賓として来日したトランプ米大統領を、日本政府が国を挙げて歓待している。ほほえましく感じる人、あるいは眉をひそめる人もあろうが、日本の平和と繁栄は、厳然として日米同盟に依存している。その現実を、まざまざと見せつけられるような光景だ。 トランプ大… 2019/05/28
視点 【視点】領土侵奪される危機が現実化 石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺の接続水域で、中国公船の航行が25日、過去最長の44日連続となった。24日には、尖閣周辺海域で操業した仲間均石垣市議の漁船が、中国公船「海警」に追尾される事態も発生した。仲間氏は「中国は、尖閣を本気で乗っ取りに来ている」と危機感をあらわにしている。領土を侵奪される危機が現実化しており、沖縄県民としても正念場であることを自覚すべきだ。 中国公船の航行は、2012… 2019/05/26
視点 【視点】県民投票とは何だったか 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡る県民投票から24日で3カ月となる。辺野古移設工事は着々と進み、県民投票の記憶は早くも過去のものになりつつある。5億5千万円の血税を投じ、何が変わり、何が動いたのか。むなしさだけが残る現状を見ると、県民投票とは打ち上げ花火であり「基地反対派の政治的パフォーマンスに過ぎなかった」と改めて感じざるを得ない。 県民投票は「辺野古米軍基地建設のための埋め立て… 2019/05/24
視点 【視点】台湾総統選、沖縄にも影響か 来年1月の台湾総統選に向け、有力候補たちの動きが活発化している。現在は独立志向が強い民進党の蔡英文政権だが、野党国民党が勝利すれば、中国寄りの新政権が誕生する可能性があり、沖縄を取り巻く国際環境も大きく変わる。県民も台湾の政治状況を注視したい。 蔡総統は昨年の統一地方選で惨敗し、再選に黄信号がともった。しかし、中国の習近平国家主席が今年の新年の演説で、台湾に「一国二制度」受け入れを迫り、台湾独… 2019/05/23
視点 【視点】米イランが一触即発 米国とイランが一触即発だ。米国が紛争の当事者になれば、米軍基地を抱える沖縄も無関係ではいられない。 トランプ米政権は2018年5月、イランの核開発を制限するため米英独仏中ロの6カ国が15年にイランと結んだ核合意から離脱した。合意で解除されたイランへの制裁を再び発動。イランは猛反発し、核合意は存続の危機に陥った。 核合意はオバマ前大統領時代の遺産だが、合意内容にミサイル開発の制限が含まれていな… 2019/05/22